調査レポート R&A

Title: 米国の医療制度改革 —「オバマケア2.0」を見据えて(第2回)
Updated: 2014/06/11
Category: その他
Areas: 米国

米国の医療制度改革 —「オバマケア2.0」を見据えて(第2回)

2014年1月1日、オバマケアに基づく国民皆保険がスタートした。既往症の有無などに関わらず誰でも健康保険に加入できる。これまで加入できなかった約5,000万の人たちに加入の道を開くと期待されている。成立に至るまでの道程は険しく、そもそも政府にそのような権限があるのかどうかについて最高裁で争われたほどだった。
さまざまな困難を乗り越えてやっと実現したオバマケアだが、初年度の加入者数は政府の発表によれば目標を達成し上々の成功を収めたというものの、共和党を初めとする反対派は猛反発しており、これを反古にしようとする動きを強めている。国民からも不満の声が多数上がるなど、前途多難な様相を呈している。
オバマケアの目的は単に健康保険への加入者を増やすことだけではない。医療コストの削減や国民の健康増進のためのさまざまな施策を通じて、ヘルスケアを改革することであり、これによりM2M/IoTの発展が加速することも期待されている。これを大きなビジネスチャンスと捉える通信事業者や関係分野の事業者は、その動向を見守りながら着々と足場を固め、飛躍の好機をうかがっている。
本シリーズの第2回目となる本稿では、オバマケアの実施に伴って生じたさまざまな問題点や国民の不満の原因などを探り、米国の素顔を浮き彫りにするとともに、「オバマケア2.0」に向けた今後の動向理解のための一助としたい。

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