膨らんだiPhoneのその後


日本で買ったiPhone 3GS。今年1月頃から膨らみ始め、充電していなくても日々少しずつ成長し、液晶が押し上げられ、口がぱっくり開いていた。いつ爆発するかわからない。

ネットで調べると同様の現象が多発しているようだ。無償で交換してもらえたとの情報もある。日本のソフトバンクにメールで状況を伝えたところ、アメリカでは何もできないので帰国後連絡してほしいとの回答があった。

それから約3か月後に帰国。早速膨らんだiPhoneをソフトバンクショップに持ち込むと、ショップでは対応できないのでサポートセンターに連絡してほしいという。自宅に戻り、サポートセンターに電話すると、ソフトバンクでは修理交換はできないので、Appleに直接連絡してほしいという。このようなたらい回しを経て、ついに渋谷のAppleストアに駆け込む。

担当者は膨らんだiPhoneを見て、「これですか、わかりました」という。別に驚くでもない。こういうケースを何度も処理しているようだ。申し訳ありませんでしたとか、お怪我はありませんでしたか、というような言葉はひとつもない。

「これはバッテリーが膨らんでいるためで、有償(6800円)で本体ごと交換になります」

「ネットで調べたら無償で交換してもらえたという情報がありましたが」

「以前は無償交換したこともあるのですが、今はしていません」

「2年ちょっと使っただけでこんなに膨らむのは不具合ではないんですか」

「これは不具合ではありません。そういう仕様です」

「こんなに膨らむのが仕様とはおかしいですよ」

「バッテリーは古くなると膨らむか爆発するかのどちらかです。爆発させないために膨らませているんです。そういう仕組みなんです。だから不具合ではないし、爆発の危険性はないので、このまま使ってもらっても大丈夫です」

「そうは言っても、画面が持ち上がって口が開いていて電源も入らないのだから、使いたくても使えないじゃないですか」

「だから、バッテリーの値段で本体ごと交換すると言っているんです。6800円で本体が新品になるんだからお得ですよ」

「でも全部のバッテリーが膨らむわけではないでしょうから、やはり膨らんだバッテリーには不具合があるのではないですか」

「いや、不具合ではありません。全部のバッテリーが遅かれ早かれそうなります。たまたまお客さんのは早めになってしまったようですね」

担当者はあくまでも不具合ではないと主張する。さらに、

「有償で本体ごと交換するか、何もしないかのどちらかになります。どうしますか」

担当者は毅然としている。取りつく島がない。これは埒があかないと判断し、やむを得ず有償交換を依頼する。

確かに担当者が言うように、6800円で新品に替えてもらったのだから、得したと喜んでもいいようにも思えるが、全然嬉しくない。

こんなにバッテリーが膨らむなんて明らかに異常だ。本来はリコールすべきではないか。まして時期によっては無償交換してもらえた人もいるというのだから不公平でもある。

Appleはあくまでも不具合ではないと言い張り、バッテリー代金を取り続けている。今後も取り続けるのだろう。あんなに儲かっているのに。

Leave a Reply