Verizonが作った夢の車


Verizonが夢のような車を作った。

Hum RiderのYouTubeビデオより
Hum RiderのYouTubeビデオより

渋滞時に、車高を上げて車輪の幅も広げて前の車を上から追い抜くことができるというもの。

SF映画などにはよく出てきそうな代物だが、実物だというから驚きだ。ただし宣伝用に作ったもので、販売はしない。

もっとも販売したとしても、これを運転するのは難しそうだし、たとえうまく運転して前に行けたとしても、どこかで列に割り込むこととなり、割り込まれた車からの反発も懸念される。

何はともあれ、こんな車が実際に作れるということは、トランスフォーマーのように車がロボットに変身する日もそう遠くはない。

ところでVerizonがこんな夢の車を作ったのは、外付けで車をスマートカーにできる「Hum」を宣伝するのが目的だ。

HumはOBD-IIポートから車の状態に関するデータを取得して、車に異常があれば知らせてくれる。

24時間365日のロードサイドアシスタントも利用でき、ボタンを押すといつでもカスタマーサービスにつながり、助けてくれる。

GPSで車の位置を追跡できる。車を盗まれても居場所がわかる。

車が一定の地域から外へ出たりスピードが出すぎたりすると、スマホに通知を送ってくれる機能もある。

これだけのサービスを月10ドルで利用できるというのはお得な気もするが、実際の使い勝手や人気はどうか。

VerizonのHumページより
VerizonのHumページより

VerizonのHumページに寄せられたユーザレビューによると、全体的には5段階評価で2.5。ちょうど真ん中の評価のようにも見えるが、1から5までの評価なので真ん中は3となり、2.5は真ん中より少し悪い。

実際、5を付けた人が13人に対し、1を付けた人が20人と、悪い評価が多いが、そもそもレビュー数が51人と少ない。あまり使われていない可能性がある。

悪いレビューによれば、誤作動が多いようだ。異常があるのに「異常なし」と出たり、その逆だったり。

全損事故を起こして病院にいるユーザにHumから通知が来た。「バッテリーが異常だ」と知らせてくれた。バッテリーどころか車全部が異常なんですけど。

間違ってボタンを押してカスタマサービスを呼んでしまうことがよくあるという声も。一旦呼ぶと取り消しができないので、応答を待つしかない。

The Vergeによれば、少なくとも、ティーンエージャーのドライバーにとっては最大の悪夢となる。車で出かけたりスピードを出しすぎたりすると親に通知が行くことになるからだ。