謎めいたハワイの「マラサダ」


ハワイのスイーツと言えばレナーズの「マラサダ」が人気だ。これを買うときには不思議な現象が起こる。

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これは「揚げパン」と言ってもいいようなものだが、あんこの入っていないアンドーナツと言ってもいい。「アンキャリア」が実はキャリアであるように、アンドーナツも実はドーナツだと言うのなら、マラサダも実はドーナツだと言ってもいい。

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揚げた後、単に砂糖をまぶしただけのオリジナルの他に、シナモンやリーヒンという乾燥梅を粉にしたものをまぶしたものや、中にカスタードやチョコなどの詰め物をしたものもある。

軽くてもちもち感があり、何個でも食べられそうな食感だ。Krispy Kremeのドーナツに匹敵するか、それを超えるほどの不思議な魅力がある。特にカスタードがKrispy Kremeほど甘くなく、ちょうどいい美味しさだ。

ところで、これを買うときに起こる不思議な現象とは、それほど大げさな話でもないので恐縮だが、1ダース買うより半ダースを2回買った方が安くなるという現象だ。

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メニューによれば、詰め物をしていないタイプは1個1ドル。それに消費税が加算されて、半ダースの場合は6.28ドルとなるが、1ダースの場合は12.57ドルとなり、半ダースを2倍したものより1セント高くなる。

その理由は、それほど複雑怪奇でもないので、「謎」と呼ぶには気が引けるが、これは消費税を四捨五入している関係だ。

ハワイの消費税は州税が4%。それに地方税が加算されて、ホノルルの場合は現在4.712%となっている。オリジナルのマラサダが6個の場合は6ドルに消費税を加算して6.28272ドルとなり、小数点第3位を四捨五入すると6.28ドルとなる。

ところが12個の場合は12ドルに消費税を加算して12.56544ドルとなり、小数点第3位を四捨五入すると12.57ドルとなってしまうためだ。

別に不思議な話でもないが、たくさん買えば高くなるというのは道理としてはおかしな話だ。ハワイの人たちはこれをおかしいとは思わないのか、今度誰かに聞いてみたい。

事ほど左様に、ハワイは神秘に満ち満ちている。