3.固定通信事業の動向

◆総務省、NTTへのNGNのIPv6インターネット接続方式を認可

 2009年8月6日、総務省は、NTT東・西の次世代ネットワーク(NGN)におけるIPv6インターネット接続サービスに関する接続方式について認可した。この認可では、ISP事業者がNGNをアクセス回線としてIPv6インターネット接続サービスを提供する際の接続方式として、次の二つの方式が採用された。
(1) トンネル方式による接続に係るインターフェース提供機能
(2) ネイティブ方式による接続機能
(1)はNGNを透過的に接続する方式、(2)は代表となるISP事業者を経由して、サービス提供者のISP事業者とNGNがIPv6で接続する方式である。(2)のネイティブ方式による接続については、技術的な制約から、代表となるISP事業者3社とだけ接続することとなるが、同年12月4日、BBIX株式会社、日本インターネットエクスチェンジ株式会社、インターネットマルチフィード株式会社の3社が選定された。

 

◆高速無線LAN規格の承認

 2009年9月15日、米国電気電子学会(IEEE:アイ・トリプル・イー)は、高速無線LANの標準規格「IEEE802.11n-2009」を正式承認した。仕様策定開始から7年近くが経過した802.11nだが、ようやく最終仕様へと到達することとなった。現在、既に草案ベースの「IEEE 802.11n-2007」に準拠した802.11n製品が市場に出回っているが、理論上の最大通信速度は300Mbpsとなっていた。今回承認された802.11n-2009をベースにしたフル規格の802.11nでは、理論上の最大通信速度は600Mbpsに達する。
この通信速度は、既に承認されて広く普及している前世代の規格「IEEE 802.11g」(理論上の最大通信速度は54Mbps)の10倍以上と、大幅に高速化されることになる。これにより、光ファイバーなどによるブロードバンド回線の高速化とともに、家庭やオフィス内の無線接続環境がさらに充実し、動画などのリッチコンテンツの配信が、今後より一層盛んになることが期待されている。

 

◆IPv4からIPv6への移行について

 インターネットの世界的な普及により、IPv4アドレスは2011年初頭にも枯渇すると予測されており(総務省2008年発表)、インターネットを引き続き利用するためには、IPv4をその後継規格であるIPv6に切り替えるなど、IPv4アドレス枯渇問題に向けた対応を実施することが急務となっている。
このような中、2008年9月より、総務省およびテレコム・インターネット関連13団体により「IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース」が発足され、官民一体となりIPv4アドレスの枯渇対策が進めてられている。併せて総務省では、2009年2月より「IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会」が開催され、「IPv6に移行しても現在IPv4で提供されているサービスに支障が出ないよう、最低限の基準を早急に策定すること」が提言された。
この報告書の内容を受け、総務省は、ネットワーク技術者を(1)管理者、(2)設計者、(3)導入者、(4)運用・監視者、(5)開発者に区分した上で、各技術に対する、基本技術、移行技術、運用技術などの習得必要性の有無に係る基本指針を策定した。