2.ICT市場の動向

◆移動体通信規格の動向

 3G(第3世代携帯電話)規格である「IMT-2000」の後継として、静止時1Gbps、高速移動時100Mbpsの伝送速度を実現する第4世代携帯電話規格「IMT-Advanced」が、ITU-R(国際電気通信連合無線通信部門)で2000年から検討されてきたが、2012年1月18日、無線通信総会(Radiocommunication Assembly:RA-12)において、「LTE-Advanced」および「WirelessMAN-Advanced」(WiMAX2)の2つを「IMT-Advanced」の無線通信規格とする勧告案が承認された。前者は、いわゆる3.9Gとして商用化済みの「LTE」(Long Term Evolution)を発展させた規格であり、後者は、いわゆるモバイルWiMAXとして商用化済みの「IEEE802.16e」を発展させた規格である。
 WiMAX2は、モバイルWiMAXを国内で導入しているUQコミュニケーションズが実証実験を進めており、2013年頃の導入を目指している。「LTE-Advanced」は、「LTE」を国内でいち早く導入したNTTドコモが実証実験を進めており、2014年から2015年頃の導入が見込まれている。なお、「LTE-Advanced」の前身である「LTE」の国内状況としては、NTTドコモが2010年12月に、イー・アクセスが2012年3月にサービスを開始している。KDDIおよびソフトバンクモバイルも2012年中にサービスを開始する計画である。

◆スマートフォン市場の動向

 2010年から続く国内のスマートフォンブームは、さらに勢いを増している。各通信事業者からは個性豊かなスマートフォンが発売され、2011年度スマートフォン出荷数は、初めて携帯電話出荷数の半数を上回った。
 Androidスマートフォンでは、「おサイフケータイ」「ワンセグ」「赤外線通信」など、日本独自といわれる機能を搭載したモデルがさらに拡充。「携帯電話は1台で済ませたい」と考えている従来型携帯電話利用者にとっても、スマートフォンに乗り換えやすくなった。
 「GALAXY S」(サムスン)に代表されるグローバルモデルも好調な売れ行きを見せ、携帯電話市場におけるメーカーシェアは転換期を迎えている。2011年8月には、OSに日本初となるWindows Phone7.5を搭載した「Windows Phone IS12T」がKDDIより発売された。さらに、2011年10月には「iPhone4S」が発売された。ソフトバンクモバイルに加え、KDDIが初めて「iPhone」を販売したことで世間の注目を集めた。
 各通信事業者は、今後もスマートフォンの販売を強化する見通しだ。2011年における国内スマートフォン利用者は全携帯電話利用者の17%程度であるが、欧米諸国で40%を超える国々(米国、英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア)があり、日本のスマートフォンシフトはまだまだこれからだといえる。タッチパネル操作やパソコンに慣れていない利用者が簡単に操作できるスマートフォンなど、利用者の嗜好に合わせたスマートフォンの開発が期待される。

◆マルチデバイスの広がり

 近年、スマートフォンの普及に加え、通信機能を搭載したさまざまなデバイス(マルチデバイス)が登場している。ここでいう「通信機能」とは、広範なエリアで通信できる携帯電話網への接続や、公衆無線LANや宅内無線LAN経由で通信できるWi-Fiを指す。通信機能が搭載されていることで、ユーザーはそれらのデバイスを使ってウェブサイトを閲覧したり、コンテンツをダウンロードすることができる。
 2009年以降、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの通信事業者各社は、通信機能が搭載されたデジタルフォトフレームを発売。また、Appleが提供する「iPad」シリーズで一躍ブームとなったタブレット端末もマルチデバイスの代表例であり、2011年に は、ソニーや東芝、富士通といった国内メーカーに加え、エイサーやレノボといった海外メーカーもタブレット端末を日本国内で販売している。
 そのほかにも、さまざまなデバイスに通信機能が搭載されてきている。例えば、電子書籍の閲覧に特化された電子書籍リーダーでは、ソニーが「Reader」を2011年10月に発売。また、2011年12月には、携帯型ゲーム機に通信機能を搭載したソニー・コンピュータエンタテインメント製の「PlayStation Vita」が発売された。
 今後は、TVや自動車などにも通信機能が搭載されていく見通しで、2012年1月に米国で開催された家電見本市である「CES2012」では、通信機能を搭載したTVや自動車の展示が多数見受けられた。機器と機器が相互に通信を行うM2M(Machine-to- Machine)も、広義ではマルチデバイスの一つの形態と見ることができるが、こちらについても今後、広がりが予想される。

◆スマートフォン普及によるデータ通信量の急増

 スマートフォン利用者のデータ通信量は、従来型携帯電話利用者の約10倍から20倍だといわれている。大画面・タッチパネルを搭載しており、データ通信に適したデバイスであり、PC向けサイトの閲覧や豊富なアプリなどが楽しめるため、従来型携帯電話利用時よりもデータ通信の利用機会が増える。また動画などデータ容量の大きいコンテンツは、一度の利用でもデータ通信量が多くなる。
 スマートフォンの急速な普及に加え、タブレットなどモバイルインターネットに接続するデバイスの増加も後押しとなり、モバイルデータ通信量は爆発的に増え続けているため、各通信事業者は携帯電話ネットワークの逼迫を回避するための対策に乗り出している。代表的な対策方法に、「データオフロード」がある。
 データオフロードとは、スマートフォンなどで行われるデータ通信を、携帯電話以外の通信網に流すことである。Wi-Fiを経由したFTTHなどの固定網へのオフロードや、WiMAXへのオフロードを行えば、携帯電話ネットワーク内のデータ通信量は軽減される。各通信事業者は、無料で使えるWi-Fiスポットの設置を進めており、快適なデータ通信方法として積極的なWi-Fiオフロード利用を呼びかけている。

◆ソーシャルメディアの企業活用

 インターネットの普及が進み、多くの人がインターネットを使って情報収集し、また、情報を発信するようになってきた。特に最近では、ソーシャルメディアを利用する人が多く、ソーシャルメディアの口コミの伝播力を、企業が広報やマーケティング活動に活用しようとする動きも出ている。Twitterにアカウントを開設したり、Facebookページを開設する企業も少なくない。
 企業は、ソーシャルメディア上でユーザーの意見を聴いたり、ユーザーとのコミュニケーションを通じてサービスや商品の改善に反映させたり、さらに進んで新サービスの開発につなげていくケースもある。こうした活動を通じて、ユーザーとの間で継続的に双方向性のある関係作りを目指している。
 一方、企業内のコミュニケーションツールとして、ソーシャルメディアを取り入れるケースも増えてきている。組織のコミュニケーションの活性化や作業の効率化、さらにはアイデア発掘などを目指して導入されるケースが多いが、企業の組織構造や企業文化とも 密接にかかわるため、こうしたツールをうまく活用するためには組織全体での意識改革が必要といわれている。

◆機器間通信(M2M)市場の広がり

 M2M(Machine-to-Machine)とは、機器と機器がネットワークを介して相互に通信を行う形態を表す。ネットワークは無線(モバイル網やWi-Fi網など)が利用されることが多い。機器に通信モジュールを取り付け、機器や機器周辺の状況に関するデータを収集したり、機器そのものの動きを遠隔で制御したりすることができる。
 M2M自体は新しい形態ではなく、これまでも車両の運行管理や自動販売機の在庫管理など、主に産業用途で活用されていた。近年は、機器に取り付ける通信モジュールの価格や通信費用が低廉化したことから、M2Mの活用機会が増えている。
 また、産業用途のみでなく、個人向けのM2Mサービスも広がりを見せている。例えば、ココセコムなどのホームセキュリティサービス、デジタルフォトフレーム、Kindleなどの電子書籍が挙げられる。さらに、東日本大震災を機に、電気エネルギーの効率的供給、省エネ対策として、スマートグリッドが注目を集めている。各家庭や事業所にスマートメーターを設置し、電力会社がリアルタイムに電力消費情報を集めることで、消費量に合わせた効率的な電力供給が可能となる。
 M2M市場拡大の可能性は機器の数だけあり、潜在需要は人口の10倍あるともいわれている。今後のM2M市場拡大のためには、通信モジュールの小型・軽量化や、さらなる低廉化が望まれる。また、スマートフォンなどによるモバイルデータトラフィックの急増によるネットワーク逼迫も予想される中、M2Mは低ARPUであることが多く、オフピークにデータを伝送するなど、その特長を生かしたサービス提供が期待される。発信されたデータをクラウドサーバにデータ集約し、加工して活用する試み(ビッグデータ)も注目を集めている。

◆近距離無線通信の広がり

 近距離無線通信の国際標準規格であるNFC(Near Field Communication)は、電子決済などセキュアなトランザクションと、スマートポスターやゲームな どに利用されるデータ通信の用途が期待されている。
 KDDIは、携帯電話と組み合わせた「モバイルNFCサービス」の提供を、国内で初めて2012年1月下旬から順次開始し、同1月20日、「モバイルNFCサービス」に対応したサムスンのスマートフォン、「GALAXY SII WiMAX ISW11SC」の発売を開始した。KDDIは、具体的な「モバイルNFCサービス」として日本航空による搭乗手続き簡略化サービス、カルチュア・コン ビニエンス・クラブによる予告編動画配信などの会員向けサービス、ビックカメラによるポイントサービス、クレディセゾンやオリエントコーポレーションによるクレジットカード決済などの提供を進めている。
 スマートフォンは、サムスンなどのグローバルメーカーが世界共通の端末として供給する状況となっていることから、今後、NFCが一気にグローバル市場において拡大する可能性がある。国内においても、FeliCaや赤外線といった、いわば「ガラパゴス」スマートフォンから、同様の機能をもつNFC対応の「グローバル」スマートフォンへの移行が進むことも考えられる。

◆HTML5

 ウェブ上にあるホームページなどの文書は、コンピュータが理解できるようHyperText Markup Language(HTML)というマークアップ言語によって、その構造(タイトルや本文などの要素)が決められているため、世界中の人びとがインターネットでアクセスしてPCなどで見たり、読んだりすることができる。
 HTML5はその最新の仕様であり、World Wide Web Consortium(W3C)が2014年の勧告化を目指している。HTML5は、ウェブを、ホームページを見るだけのものではなく、アプリケーションを利用できるプラットフォームとして進化させるものである。HTML5を使って開発されるアプリケーションはウェ ブ・アプリと呼ばれ、ブラウザ上で動き、音声や動画の再生、アプリケーションのオフライン利用、リアル タイムデータ通信など、多様な機能が利用できるようになる。ユーザーが利用するデバイスに搭載された特定のOSやプラットフォーム(Windows、iOS、Androidなど)に拘束されない、世界標準のオープンなプラットフォームを目指している。HTML5の機能の勧告化には、事前に実装例が必要なため、すでに利用可能な機能もあり、Financial Timesなどの書籍コンテンツやゲームコンテンツなどで採用されている。HTML5の策定を進めるW3Cには、Google、Apple、Microsoft、Mozilla、Adobe、KDDI、NTTなどが参加している。

◆Big Data(ビッグデータ)

 クラウドやマルチデバイスによって、デジタルデータが爆発的にネットワーク上に流れ出し、その大量のデータを集めて瞬時に分析し、何が起きるかを予測し、ビジネスに生かそうというチャレンジが注目を集めている。
 ビッグデータは、数百テラバイトからペタバイト級の大容量データであり、そのデータ源は、ソーシャル メディア、個人作成のコンテンツ、POSデータ、電子カルテ、位置情報、センサーデータ、政府情報など多様で、表中の数値や文字列などの定型データだけでなく、ソーシャルメディア上の文章やイメージなどの非定型データも対象となる。大量のデータを瞬時に集めることで、個々のデータにはない新しい価値を生み出すことができ、また、多様なデータを選択、融合、加工、分析して予測することで、さらに大きな価値を創造することが期待できる。
 このような処理は、大規模分散処理技術により可能となったもので、大容量かつ多様なデータを、クラウド上の1000台規模のマシンによって、複数プロセスで分割して処理することで、リアルタイムに近い処理ができる。
 例えば、大量のセンサーから気象情報、地質、微生物、細菌などの情報を集めれば、天候予測や、作物の育成管理、収穫予想が可能になり、電子カルテやバイタルデータを集積すれば、伝染病の流行パターンの予測や疾病対策、予防の研究に活用することもできる。企業の商品開発や、カスタマーサービスの効率化にも貢献する。
 ビッグデータは、金融、保険、政府、不動産、医療、ヘルスケア、小売など多くの産業で活用が期待されて いる。

◆IPv6の動向

 インターネットにつながるすべての機器が通信を行う際に、お互いの機器を認識するために割り振られた番号が「IPアドレス」であり、その次世代規格が「IPv6」である。IPv4では32個の「0」と「1」の羅列の組み合わせ数が約43億個だったのに対して、IPv6では 128個の「0」と「1」の組み合わせにより約43億個の4乗のアドレス数となり、ほぼ無限大となる。
 インターネットが誕生して以来、IPアドレスの枯渇問題は指摘されてきたが、ネット利用人口やネット接 続機器の急増で一気に現実化した。2011年2月に、IANA(Internet Assigned Numbers Authority)の管理するIPアドレスが枯渇したことを受けて、日本国内のIPアドレスを管理する日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は、同年4月に通常割り振りを終了した。
 IPv4の枯渇への抜本的な対応策がIPv6への移行である。IPv4とIPv6は、通信方式の違いから互換性がないため、ISP各社はIPv6対応を進めているが、IPv4とIPv6の双方の通信が可能となる環境を当面維持する必要があるなど、利用者の混乱を招かないよう、円滑な移行が課題となっている。
 こうした中で、2012年6月6日に、米国のGoogle、Facebook、Microsoftや、日本のKDDI、NTTコミュニケーションズなど、世界のネット関連大手や通信事業者が一斉にIPv6の運用を開始したが、ニフティやヤフーなどの日本の大半のネット関連事業者は移行を見送った。これは、ネット接続にNTT東西の「フレッツ光」を使用している場合、IPv6対応のサイト閲覧で数秒の遅れが生じる可能性があるためである。

◆KDDIのスマートパスポート構想

 「スマートパスポート構想」とは、KDDIが3M(マルチデバイス・マルチネットワーク・マルチユース)戦略の第一弾として打ち出した構想。「オープンで、制約のない世界へのパスポート」として、さまざまなスマートデバイスからシンプル・シームレスにネット上のアプリやコンテンツを安心して利用できる環境の実現を目指している。「スマートパスポート構想」は、「auスマートパス」「au スマートバリュー」「au ID」の3つのキーファクターから構成される。「auスマートパス」は、取り放題の500本以上の良質アプリや、10GBの写真や動画のストレージ、クーポン&ポイントサービス、充実のセキュリティ対策とサポートを月額390円で提供するサービスである。「auスマートバリュー」は、auひかりなど指定の固定通信サービスとauスマートフォンのセット契約で、スマートフォンの利用料金を最大2年間、毎月1480円を割り引くサービスで、2年経過後も永年で月額980円を割り引く。指定の固定通信サービスに契約しているお客様と同居のご家族が対象。いずれのサービスも2012年3月から提供を開始している。
 「au ID」は、従来の「au one ID」に代わるユーザーIDで、KDDIの「スマートパスポート構想」のベース となる認証サービス。「au ID」はユーザー自身に紐づき、auが提供する各種サービスで統一的に利用することができ、ネットワークフリー、デバイスフリー、コンテンツフリーのサービスを実現していく。

◆クラウドサービスの広がり

 クラウドサービスは、企業の業務効率化やTCO(システムの導入・運用にかかる費用の総額)削減を主たる目的とし、大企業を中心に導入が進んできた。
 日本においてはこれまで、自社専有のデータセンターに仮想化技術を導入したプライベートクラウドが利用の中心であった。複数企業で共有するパブリッククラウドに対しては、セキュリティ面や柔軟性について企業が懐疑的であったからだ。
 しかし、クラウドサービスに対する見方は変わりつつある。東日本大震災以降、企業は電力の安定供給やBCP(事業継続計画)の重要性を再認識した。また、官公庁・自治体によるクラウドサービス導入事例が増えていることも後押しとなり、自社専有のデータセンターを運用するよりも、セキュリティやバックアップ対策に長けたクラウド事業者のサービスを利用する方が、結果的に安全かつ効率的だという考え方が広まっている。
 また、パブリッククラウドのIaaS(Infrastructure as a Service)の上に、プライベートクラウドを構築するサービスなども登場し、従来よりも柔軟なシステム構築が可能になっている。官公庁や大企業のクラウド導入事例が増えれば、中小企業での導入も加速すると予測される。
 個人利用においても、クラウドの利用機会は増加している。あらゆる機器からアクセスできるクラウドサービスは、スマートフォン・マルチデバイスと相性が良く、写真や文書データを預けるストレージサービスや、ウェブメールなどが広く普及している。また、KDDIの「LISMO unlimited」のように、自分でデータを持たずともクラウドに蓄積された音楽が聴き放題になるサービスも登場している。

◆O2O(Online to Offline)

 O2Oとは「Online to Offline」の略で、ネット上(オンライン)での情報や活動が、リアルな実店舗(オフライン)での購買行動へ影響を及ぼすことを指す。商品を買いに行く前に、「価格.com」などの価格比較サイトを調べ、安い店舗で購入するといった行動は以前からみられるが、これもO2Oの1つの例といえる。Googleの日本法人は2011年9月、商品を検索すると、ネットショップだけでなく実店舗にある商品の情報も 表示する「グーグルローカルショッピング」を提供開始している。
 景気の低迷で消費が冷え込む中、さまざまな企業がO2Oを活用したビジネス拡大に取り組んでいる。例えば、実店舗を持つ飲食店や販売店が、オンラインで割引クーポンを提供し、店舗への来店を促すと いった取り組みはその代表例である。オンラインでのクーポンの提供は、「グルーポン」のようなクーポン 共同購入サイトのほか、最近ではユーザーの位置情報と連動したクーポンの配信も登場してきている。Facebookでは2011年6月、ユーザーの現在地周辺 にある店舗のクーポンをFacebook上で配信する
 「チェックインクーポンサービス」を提供開始。現在は、ローソンやファミリーマートなどのクーポンが配信されている。

◆災害時の支援サービス/災害用伝言板サービス、 緊急地震速報の通知サービス

 災害時の支援サービスとして、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルは、気象庁が配信する「緊急地震速報」や国・地方公共団体が配信する「災害・避難情報」を、対象エリアの携帯電話へ輻輳の影響を受けずに一斉配信するサービスを提供している。「緊急地震速報」は、気象庁が最大震度5弱以上と推定した地震の際に、強い揺れ(震度4以上)が予測される地域の携帯電話に一斉配信する。いずれも、専用の警報音または着信音とバイブレーション、画面表示で知らせる。なお、気象庁発表の「津波警報」の配信については、NTTドコモは2012年2月24日から、KDDIは3月30日から提供開始、ソフトバンクも2012年内に開始の予定。
 また、災害時の安否確認手段として、大規模災害時に「災害用伝言板」と「災害用音声お届けサービス」 の提供もされている。「災害用伝言板」とは、データ通信を利用したウェブ上の伝言板のことで、災害時の通話の輻輳を避け、安否情報の登録・確認が可能。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、ウィルコム、イー・アクセスは、2010年3月から順次、災害用伝言板の安否情報を横断的に検索可能な「全社一括検索」を提供している。
 「災害用音声お届けサービス」はパケット通信で音声メッセージを届けるサービスである。利用者は専用アプリ(ソフト)を起動し、相手の電話番号を入力後、伝言を録音すると、データ変換した音声ファイルで送信する仕組み。2011年11月に携帯電話・PHS事業者は共通運用に関するガイドラインを策定、今後、事業者間の相互接続の実現に向け連携していく予定。NTTドコモは2012年3月から、KDDIは同年6月から提供開始した。