「FUTURE GATEWAY」

越境走者とともに2030年のあたりまえを考える「FUTURE GATEWAY」。そんな「FUTURE GATEWAY」に関わる人々の価値観に迫り、一緒に未来を考えていきたいと思います。

第4回に登場してもらうのは、JINS MEMEの成果をもとに生まれた会員制のソロワーキングスペース「Think Lab.」を率いる井上一鷹さん。この一年で最大の変化とも呼べる「働き方」について考え続けてきた井上さんは、2030年の仕事のあり方をどう見ているのでしょうか。今年銀座に新しくできたThink Lab.で話を伺いました。

コロナは働き方の変化を加速させた

ーーあらためてになりますが、Think Lab.という場所の特徴について教えてください。

井上:端的にいうと、一人になって集中する場所。世界で一番集中できる場所を目指しています。この場所をつくるために、JINS MEMEというデバイスであらゆる集中のデータを測っているんです。まわりの植物がどれくらい目に見えると集中が続きやすいかとか。こうしたデータに基づいて、たとえば、音に関しても耳で聞こえる音だけではなく、肌でしか感じないような音まで再現しています。データをもとに「集中」を研究して、エビデンスがあるものを機能として織り込んでいく。それがThink Lab.の基本思想です。

ーーそれは、どのような経緯で生まれたのですか?

井上:かつてJINS MEMEを普及させるために僕が眼鏡を持っていろんなところに行って「こういう働き方って良いよね」というPRをしていたんです。それで、ある時「JINSはどうなんだ」と思って測ってみたら、ひどかった(笑)。それから集中に関するデータを集めるようになりました。その結果をもとにいろんな企業の働く環境の設計コンサルをやり始めたのが原点でした。事業としてというよりもJINSのなかで副業的に始めたことでしたね。

井上一鷹:株式会社ジンズ 執行役員 事業戦略本部 エグゼクティブディレクター 兼 株式会社Think Lab 取締役、Newspicksプロピッカー(キャリア・教育関連)。大学卒業後、戦略コンサルティングファームのアーサー・D・リトルにて大手製造業を中心とした事業戦略、技術経営戦略、人事組織戦略の立案に従事後、ジンズに入社。商品企画部、JINS MEME事業部、Think Labプロジェクト兼任。算数オリンピックではアジア4位になったこともある。著書「2021/04/07発売:深い集中を取り戻せ」「集中力 パフォーマンスを300倍にする働き方」

ーー今でこそ働きやすい環境づくりは大きなテーマになっていますが、コロナが流行する前からそういうことをやっていたと。

井上:コロナが流行する前から働き方は変わり始めていました。コロナはそれを加速させたのだと思います。働き方に関してはそもそも昔から無駄が多くて、一時間どこかの会社で打ち合わせしたら、前後に30分ずつくらい無駄な時間が発生してしまう。それで、とりあえずカフェでパソコンを開いて仕事をしていたわけですが、カフェの椅子って、どう考えても1、2時間が集中の限界。この銀座のThink Lab.はまさにそういった方に向けて、ちゃんと集中できる環境を整えたものになります。銀座という人口密度の高い場所に、茶室のような集中環境をつくりました。

ーーコロナを経てなお、リアルな場所をつくったわけですが。

井上:コロナで人が外に出なくなった頃には、在宅勤務用の集中場所として段ボールで簡易的に組み立てられる「Think Lab HOME」というのをつくったんですよ。あの頃は来年がどうなってるか全然わからない状態だったので、再生紙を使って一時的な自宅の作業スペースをこしらえた。でも、どうがんばったって、サードプレイスとしての家って70点が限界だと思いました。利用者に話を聞いてみると、結局は家でずっと仕事をしていても環境が変わらないので、外に出ることによる“非日常”を求めていたんですよね。だから、気分の上がる銀座という場所にこもることには意義があると感じました。

※この記事は抜粋版です。全文はFUTURE GATEWAYサイトでお読み頂けます。