クラウドファンディングのIndiegogoが「お墨付き」スタンプを導入した。
これまでのクラウドファンディングでは、資金調達に成功しても、その後のプロジェクトが計画どおりに進まないリスクが高かったことが難点だった。
その結果、支援者に約束したリワードの発送が大幅に遅れたり、最悪の場合はプロジェクトが破綻してリワードが送られなかったりすることもあった。
このリスクを軽減するため、IndiegogoはArrow Electronicsと提携し、資金調達後のプロジェクト進行と製品化を手助けするサービスを開始した。
まず Arrowがプロジェクトを評価して優良プロジェクトにバッジを付与する。
専門家の目から見たプロジェクトの技術的な可能性や実現性などが精査されるので、このバッジはかなり信頼性の高い「お墨付き」になるはずだ。
バッジをもらった優良プロジェクトについては、Arrowの設計ツールにアクセスでき、専門分野のエンジニアがバックに付き、試作サポートサービス、サプライチェーン・製造サポートなどのサービスが提供される。提供される製品やサービスは、最大50万ドル相当のものとなる。
これにより、Arrowに選ばれたプロジェクトは資金が集まりやすくなり、資金調達後もプロジェクトがスムーズに進み、支援者への約束を果たしやすくなる。
Arrowにとっては成功見込みの高いプロジェクトに早い段階で接触し、ビジネス上の関係を築くことができる。
Indiegogoにとってはプロジェクトの成功率が上がって評判が良くなる。
関係者が皆ハッピーになれるソリューションと言えるが、これがいいのかどうかはやってみないとわからないと、TechCrunchがやや懐疑的な見方を示している。
デメリットがあるとすれば、Arrowに選ばれなかったプロジェクトは資金が集まりにくくなり、またArrowと競合する技術・販売支援サービス提供会社の入り込む余地が小さくなるといったことが考えられる。
Arrowがプロジェクトの生殺与奪の権を握ることになりはしないかとの懸念も出てくる。
これまでクラウドファンディングのプラットフォームは、プロジェクトと支援者を結びつけるだけで、内容等には関知しないとの無責任とも言える姿勢を通してきた。
今回、多少なりともプロジェクトの内容や進め方に首を突っ込む姿勢を見せたことは評価したい。