FacebookがAOLと同じ道をたどっているとの見方がある。
AOLはインターネット草創期に急速に成長して、ダイヤルアップ全盛時代にISPの王者となり、その後ブロードバンドの浸透とともに急速に没落してしまった。
Facebookがこれと同じ道をたどっているとは聞き捨てならない。
Seeking Alphaに掲載されたアナリストのIan Bezek氏の見方は、要約すると以下のようなものだ。
- AOLはユーザ志向よりも自社のニーズを優先した結果劇的に没落した。
- Facebookも最近、反ユーザ志向が顕著だ。たとえばMessengerアプリをFacebookから切り離したのはその典型だ。
- こんな傲慢な態度は間違っている。Facebookが顧客を見限っても、顧客には代わりのサービスはいくらでもあるというのに。
- Facebookの有名人動画制作に関する最近の動きは、失敗したGoogle Videoの二番煎じ。ユーザが求めているのはそこではないのに。
- Facebookは事実上、ユーザに「あなたのコンテンツはつまらない」というメッセージを伝えていることになる。そのメッセージはみんなに伝わっている。
とかくIT会社はメディア志向になりがちだ、と同氏は述べている。
AOLは勢いに陰りが出てきたときにメディア志向になった。独自コンテンツの確保のため、ジャーナリストや有名人とバンバン契約した。
このアプローチが高じて行き着いたのが、史上最大の失敗と言われるTime Warner Cableの買収。ここから没落の一途をたどった。
Facebookも最近、メディア志向が顕著になっている。
Recodeによれば、Facebookは2015年8月にライブ動画アプリをリリースしたが、これに投稿するには有名人でないとダメということにした。
先日は有名人のライブ動画を確保するために、メディア会社や有名人と5,000万ドルに上る契約を締結したとWSJが報じた。
IT会社がユーザ志向からメディア志向に変わったら要注意だ。