リオ五輪開会式のTV放送は、米国ではNBCが夜8時から録画で流した。これには不満続出だ。
オリンピックの独占放映権を握っているNBCは、米国でオリンピックをリアルタイムで放映しない。米国時間の夜8時からのゴールデンタイムを中心に放送している。その方が視聴率が稼げるからだ。
4年前のロンドン五輪のときもそうだった。これで不満が続出したが、ロンドンとは時差が大きい(東海岸は5時間、西海岸は8時間)のでやむを得ないかなという感じもあった。
リオはロンドンほどの時差はない(東海岸は1時間、西海岸は4時間)が、NBCの放送はやはりリアルタイムではない。そしてやはり不満や批判が続出している。
8月5日の開会式は米国時間の午後8時から録画ベースで放映された。リアルタイムに比べて東海岸では1時間遅れ、西海岸では4時間遅れとなった。
NBCの五輪放送については、遅延の問題の他に、コマーシャルが多いという不満も上がっている。本当に頻繁にコマーシャルが入る。開会式の最初の65分間に8本のコマーシャルが入った。
また純粋なコマーシャルではないが過去の大会の映像や関係者のメッセージなどがたびたび流れるのも、本番が観たい視聴者にとっては目障りだ。
一方NBCは、コマーシャルが入っても、録画なので元の放送内容をカットすることなく放映できると、そのメリットを強調している。
今回のリオ五輪開会式は、地球温暖化への警鐘や平和へのメッセージなどが込められたものだった。時間的に広島での平和記念式典と重なったが、ちょうど原爆が投下された時刻に合わせて、日系移民の人たちがパフォーマンスを披露するという粋な演出もあったようだ。
ところが、その開会式を放映したNBCは、日系移民の人たちが登場したところでコマーシャルを入れてしまった。コマーシャルが終われば、また続きが始まるだろうと思っていたら、そのパフォーマンスが終わったところからの放映となった。
元の放送内容はカットされないはずではなかったのか。YouTubeで何とかその見逃した部分を見ることができたが、それがなければこんなパフォーマンスが行われていたことさえわからなかったところだった。
時間を遅らせて録画で放送するということは、都合の悪い部分をカットしたり編集したりできるということだ。
NBCへの不満と不信は募る一方だ。