MVNOのTingが料金を値下げした。その背景にはプリペイド市場の競争激化があると、FierceWirelessが伝えている。
Ting自体はプリペイドではなく、ポストペイドのサービスだが、顧客層はプリペイド市場と重なる。
数あるMVNOの中でもTingのサービスは料金がユニークだ。

回線数、音声、テキスト、データで、それぞれどれだけ使ったらいくらという料金表が一応あるが、ユーザはこの中からあらかじめどれをいくら使うかを選ぶ必要はない。
回線数だけはあらかじめ登録した端末の数に基づくが、それ以外は実際に使った分に相当する料金が毎月計算されて課金される。
今回の値下げでは、データを500MB使うと12ドルだったのが10ドルに、1GB使うと19ドルだったのが16ドルに、2GB使うと29ドルだったのが20ドルに、2GBを超えた分は1MBにつき1.5セントだったのが1GBにつき10ドルになった。なお、100MBで3ドルの料金は値下げされなかった。
特に2GBを超えた分は、今までの料金では1GBで15ドルとなり、大手キャリアの超過料金と同じになってしまうことから、値下げして競争力を高めたものと見られる。
ネットワークはGSMとCDMAが選べる。Tingのカバレッジのページには、CDMAはSprintの全国ネットワークを使用すると明記されているが、GSMの方ははっきりと書いていない。

枠の色からしてT-Mobileであることは明らかだが、なぜ明記しないのか、なぜSprintは明記するのか、不思議だ。
さらに、同じアカウントの中にGSMとCDMAの端末を混在させることができ、ネットワークを問わず複数回線で音声、テキスト、データの許容量をシェアすることができる。
すなわち、T-MobileのスマホとSprintのスマホを同一アカウントに放り込み、許容量をシェアすることもできるし、請求書も一本化できるといったような、他社にはできないことができる。
いろいろな面で面白いMVNOだが、競争のプレッシャーも大変そうだ。