「YouTubeはオワッタ」との批判続出


YouTubeのコンテンツ管理に関して、「YouTubeはオワッタ」との批判が続出している。

Twitter上では「#YouTubeIsOverParty」というハッシュタグでそのようなツイートが相次いで投稿されている。

The Vergeによれば、事の発端は、YouTubeがコンテンツを管理するシステムを変更し、不適切なコンテンツは広告で収入を得ることができない旨をユーザに通知するようにしたこと。

その通知を頻繁に受け取るようになったユーチューバーのPhilip DeFrancoさんが、「チャンネルが閉鎖されてしまいそうだ。どうしたらいいのかわからない」とYouTubeやTwitterなどに投稿した。

YouTube/Googleからの通知の内容は、コンテンツが「advertiser-friendly(広告向き)」ではない恐れがあるので「monetization(収益化)」は認められないというもの。

YouTubeのガイドラインによれば、「advertiser-friendly」なコンテンツとは、すべての視聴者にとって適切なものであって、不適切な内容は皆無、またはほとんど含まないものとされている。

仮に不適切な内容を含むとすれば、ニュース性のあるものや笑わせるようなものに限られる。投稿の意図は知らせたり楽しませたりすることであって、攻撃したりショックを与えたりすることであってはならないとされている。

「advertiser-friendly」なコンテンツのガイドライン(YouTubeのヘルプページより)
「advertiser-friendly」なコンテンツのガイドライン(YouTubeのヘルプページより)

「不適切」な内容として、アダルトもの、暴力、不適切な言葉遣い、ドラッグ、物議をかもしたり公表を差し控えるべき話題や出来事などが例示されているが、それに限らないとされており、範囲が広くて曖昧だ。

今後広範囲にわたって恒常的に収益化が認められなくなると、多くのユーチューバーにとっては死活問題となる。これは一種の検閲ではないかと、Philipさんが批判の声を上げた。

これがきっかけで、他のユーザからも「自分のところにも通知が来た」、「検閲反対!」、「YouTubeはけしからん」などの投稿が相次ぎ、拡散していった。

これに対しYouTubeは、サービス条件はこれまでと変更はなく、単にユーザに通知するようにしただけと釈明している。

YouTubeのコンテンツ管理は今に始まったことではない。以前から、視聴者からの指摘のほか、コンテンツのキーワードやタイトルなどから不適切な動画を選択して警告を発したり、広告収入が発生しないようにする措置を講じている。

不適切な動画かどうかの判断は一次的には機械的に行われるため、実際は問題ないのに不適切とされることもある。そういう場合には、ユーザからの申告に基づいてスタッフが確認して不適切かどうか判断する道も用意されている。

以前はユーザに通知をするようになっていなかったため、何が起こっているのかユーザにはわからず、なぜか収入が入ってこないということが起こりえた。

今回の変更は、YouTubeが不適切と判断した動画についてその都度ユーザに通知し、もし不満があるなら申告して人手による確認を求めることができることを明確にしたという意味で、これまで以上にユーザの保護を強化した措置だと言える。

よって、ユーザはそんなに過剰反応する必要はないとの意見も、Seeking Alphaなどにちらほら出ている。

透明化されたことで却ってユーザの不満が増えるはめになったというわけだ。

世の中には知らない方がいいこともある。