AT&Tが個人情報でお金を取るのをやめた


AT&TはGigaPowerで個人情報をネタに顧客からお金を取るのをやめにした。

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AT&Tのギガビットインターネットサービス「GigaPower」には、ユーザのWebサイト閲覧履歴などの情報を収集して効果的なターゲット広告のために使う「Internet Preferences」という仕組みが導入されていた。

そのような個人情報を取られたくないユーザは、月29ドルの追加料金を支払って「オプトアウト」することができた。これはインターネットサービスだけを使っている場合で、TVや電話サービスも使っている場合は、追加料金のトータルが60ドル以上にもなっていた。

これに対して、顧客の個人情報を守るために追加料金を取るのはおかしいのではないかとの声が上がり、物議を醸していた。確かに、違和感のあるオプションだ。こんなところで儲けようとするのはけしからんと、概してユーザの評判は悪かった。

Ars Technicaによれば、AT&Tは10月2日にこの追加料金をやめた。個人情報を収集してターゲット広告用に使うこともやめた。これで追加料金なしで個人情報が守られることになった。

やめた理由など詳細な説明はないが、おそらく期待したほど収益が上がらなかったか、FCCが年内に実施しようとしているプライバシー保護の強化を図る規則を意識してのことだろうとしている。

FCCがそんな規則を考えているほど、巷には追加料金でオプトアウトできるオプションも設定せずに、顧客の承諾もなしに、個人情報を取りまくっているサービスが溢れている。

AT&Tも最初から、そんなオプトアウトのオプションなど設定せずに、顧客の承諾だけは取って、堂々と個人情報を活用してターゲット広告を出していたらよかったのではないか。

または、個人情報を取らないサービスを基本にして、個人情報を取られることを承諾した顧客には月29ドル、サービス内容によっては月60ドル以上を返金する、というような仕組みにする手もあったのではないか。