謎多き体温発電ウォッチ


体温で発電するという世界初のスマートウォッチが登場した。これには謎が多い。

MATRIXのPowerWatchというスマートウォッチが、クラウドファンディングのIndiegogoで資金調達を開始した。調達は順調のようだ。

キャッチフレーズは「Smartwatch Powered by You(あなたが電源になるスマートウォッチ)」。

体温で発電するので身につけている限り充電され、コンセントにつないで充電したり電池を交換したりする必要がないという点で、画期的なスマートウォッチだ。

機能的には、時刻や日付の表示以外に、消費カロリーや歩数や睡眠状態などが確認できるという機能がある。50メートルの防水機能もある。

スマホと連動し、アプリで消費カロリーなどの確認ができるが、電話を受けたりテキストを確認・送信したりといった通信機能や支払い機能などはない。

ところで、Indiegogoの調達額と価格と支援者の数には謎が多い。

IndiegogoのMATRIXプロジェクトページより
IndiegogoのMATRIXプロジェクトページより

執筆時点で調達期間はまだ2か月も残っているというのに、目標額が10万ドルのところ、既に23万ドルを超え、支援者数は1,400人を超えている。

ところが、Indiegogoのプロジェクトページに表示されている各支援レベルごとの申し込み数を計算すると、調達額は全部で9万5,000ドル、支援者は400人くらいにしかならない。

他の多数の支援者と資金はどこから来ているのかが謎だ。

超早期枠が1台119ドルで米国内は送料無料、米国外は15ドルの送料がかかる。

それが埋まれば、次の早期枠は1台139ドルで米国内は10ドル、米国外は20ドルの送料がかかる。

本体価格にしても送料にしても、超早期枠がいいに決まっているのだが、超早期枠がまだ余裕があるというのに、早期枠を選んでいる人がいるのが謎だ。

2台セットの超早期枠が239ドル。1台の超早期枠を2倍したものよりも1ドル高い。それでも2台セットの枠を選ぶ人がいるというのが謎だ。

これと同じような体験が以前にもあった。ハワイの地元のドーナツ「マラサダ」だ。1ダース買うより半ダースを2つ買った方が1セント安かった。

どうしてこんな価格設定になるのか謎だ。

そんなわけで、いろいろと謎の多いスマートウォッチだが、Arrow Electronicsがお墨付きを与えているので、技術的にはしっかりしていて生産体制の準備もできているようだ。

今のところ、体温で発電できるところが唯一の魅力。発電量は活動によって異なり、走ったり運動したりすると発電量が増える。自分がどれだけ発電しているかが確認できる。

体温で発電した電気が使えるとなると、他にも便利な使い方ができそうだ。

発電した電気をどこかに貯めておいて、スマホの充電などに使えるようにできれば便利だ。

また発電した電気を売電して小遣い稼ぎができるようになれば最高だ。そうなると頑張っていくらでも走りたくなる。

一番効果的な健康器具になるかもしれない。