最近NetflixがBlockbusterのように感じられる、と述べている人がいる。
Netflixにはユーザの好みに合わせてお勧めのビデオをメニューに表示してくれるというレコメンド機能がある。
これにより、今までまったく知らなかったビデオで、完全に自分の好みにマッチするものに出会うことができるという喜びがあった。
お勧め度の高いものほどメニューの上の方に表示されるので、好みのビデオにたどり着くのが容易で、膨大なビデオの中から観たいものを探し出す手間が省けるというメリットがあった。
ところがThe VergeのライターのBen Popperさんによると、最近のNetflixはメニューの上位に自分の好みのビデオが表示されなくなったらしい。

その代わり、上位グループには、Netflixの「オリジナル作品」が表示されるようになった。それも自分の好みに全然マッチしない。レコメンデーションが機能していないとしか言いようがない。
その下のグループも、Netflixのオリジナル作品で、ユーザの好みを反映していないことは明らかだ。既に全部のエピソードを観終えたものまで並んでいる。どうしてこんなものを勧めるのかわからない。
その下のグループは「話題の作品」。TVで放映されていたときには好きになれなかった番組ばかりが並んでいる。
その下には「最近追加された作品」。これでNetflixのメニューの4つのグループを渡り歩いてきたことになるが、自分の好みにマッチしたものがなかなか出てこない。
Netflixの勧め方は、まずはオリジナル作品を勧め、次に人気の作品や新作を勧めるというやり方のようだ。このメニューを下へ下へとスクロールするうちに、昔の感覚が蘇ってきた。
20年前にBlockbusterのビデオ店に入ったときのこと。店内に入るとまずセール対象のビデオが並んだ大きな棚、それから人気のタイトル、その先の棚には新着のビデオが並んでいた。それと同じだ。
それでもNetflixのメニューは完全にユーザの好みを無視しているというわけでもなさそうだった。4番目の「最近追加された作品」のグループは若干好みのものが反映されていないでもなかった。
5番目のグループには昔観た映画が並び、6番目のグループには途中まで観た映画が続きを観られるように並ぶ。7番目のグループにやっと「Benさんへのお勧め」が出てきた。こんなに奥深いところに埋もれていた。
これはNetflixのサービスの変化を物語っているように見える。他社製コンテンツのコスト増大と独自コンテンツの充実に伴い、ユーザの好みのものを勧めるよりも、ユーザの好みにかかわらず独自コンテンツを勧める方向に転換しているのではないか。
オリジナル作品でももちろん楽しめないことはないが、あまり知られていないが自分にぴったりの作品を探し出してくれた以前のやり方がよかった、とBenさんは残念がっている。
またビデオ屋の店員と仲良くしようかな、とも述べている。