不動産売買のユニークなサービスが拡大中


不動産売買のユニークなオンラインサービスが、資金調達に成功して提供地域を拡張中だ。

OpenDoorのwebサイトより
OpenDoorのwebサイトより

OpenDoor」は売り手と買い手の間を仲介するのではなく、売り手から一旦買い取ってから買い手に売るというユニークなサービス。

単なる仲介をするサービスに比べると事業のリスクは高いが、TachCrunchによると、このたびシリーズD投資ラウンドで2億1,000万ドルの資金を調達した。

売り手と買い手の両方にとって、取引きが迅速・スムーズに行えるというのが謳い文句。

売り手側の手続きは以下のような流れとなる。

  • 売り手はOpenDoorにオンラインで見積もりを依頼する。
  • OpenDoorは市場価格や個別の状態を考慮して見積もりを出す。
  • 売り手が提示額を受け入れると、OpenDoorが物件の状態を調査しに来る。
  • その後、3日から60日の間で売り手が都合のいいときに引渡日を設定する。
  • 売却に関する手続きはすべてOpenDoorがやってくれる。
  • 売り手は引渡日に代金を受け取る。

OpenDoorは買い取った物件を必要に応じて修繕した上で売りに出す。州が認めた独立の調査員が180か所の点検項目を調査し、基準を満たしていることを事前に確認する。

買い手側のメリットとしては以下のようなものがある。

  • オンラインで物件を選んでいつでも内覧できる。現場に係員がいるわけではないが、スマートロックと監視カメラで管理しているので、無人状態でも内覧が可能。
  • 購入を決めると、独立調査員がチェックした確認書類が買い手にも渡される。
  • 2年間のOneGuardホームワランティの保証が付いてくる。
  • 購入後、満足できない場合には30日以内なら返品・返金可能。ただし返金額からは原状回復費用や手数料などが差し引かれる。

このサービスは現在フェニックスとダラス・フォートワースでフルに提供中。ラスベガスでは買い取りのみ行っているところ。調達した資金を元手に他の地域にも拡張することとしている。

ところで、サンフランシスコ周辺の住宅価格は高止まりした感がないでもないが、まだ上昇している地域もある。ネットなどで表示されている価格で買えることはまずない。

売り手市場なので、通常は買い手は表示価格にいくらか上乗せしないと買えない。買い手側がいくら上乗せできるかが勝負になる。だからますます相場が上がる。

OpenDoorのようなサービスが価格の上昇を止めてくれることを祈りたい。