ラスベガスで開催されたCES 2017で、Huluが計画中のストリーミングサービスの概要が一部明らかになった。
The Vergeによると、サービス名称は単に「Hulu」。サービス開始まではあと数か月。現在社員やその家族や友人らがテストを行なっているところ。
チャンネル数は未定。番組供給でABC(DisneyとESPNを含む)、CBS、Foxとは契約済み。NBCUniversalとはまだ契約ができていないが、開始までにはできる見込み。
料金は月40ドル以下。ちなみに競合のSling TVは月20ドルから、PlayStation Vueは月30ドル(ライブTV放送が視聴できる地域では月40ドル)、DirecTV Nowは月35ドル。
基本料金でライブのTV放送とオンデマンドビデオが視聴できる。2チャンネル同時に別々の端末でストリーミングが可能。クラウドDVR機能も使える。録画を保存できる容量は未定だが、基本料金だと容量は小さい。
追加料金で同時に視聴できるチャンネル数を「未だかつてないほどに」増やすことができるように計画中。ちなみにこの機能ではVueが一番進んでおり、基本料金で5チャンネル同時視聴が可能。
他社のサービスとどこが違うのかが重要だが、Huluはこのサービスで、他社とは違った体験を提供しようといろいろ工夫しているらしい。
他社との違いのひとつが通知機能。例えば好きなスポーツのチームを登録しておくと、そのチームが出るゲームがスタートする時に通知が来たり、ゲームの途中経過を知らせてくれたりする。
また、コンテンツの視聴期間が切れるときに通知が来るようにするなど、ユーザ側でかなり細かくコントロールすることができる。
お勧め機能も充実させる。精度を上げるために、最初に若干の手順がある。Huluのアプリを初めて開くと、Apple Musicのサインアップ時と同様に、好きなジャンルや番組をいくつか選ぶよう促される。
この手順は省略することもできるが、この手順を踏むことで、お勧め機能の精度が格段に向上する。
アプリの初期画面はお勧めのコンテンツが表示される「ラインアップ」。ライブ放送とオンデマンドの両方が混在する。この画面で煩わしいスポンサーのコンテンツが表示されるようなことはない。
視聴履歴や時刻などによってラインアップのコンテンツが変わる。スポンサーのコンテンツは別のところで表示されるので、まったく見ないで済ませるのも容易。
ある番組を視聴中にメニューを表示させると、直近に視聴していたチャンネルが表示されるので、たとえばドラマの合間にスポーツの結果がどうなっているか知りたいというようなときに、複数の番組を行ったり来たりして視るのには都合がいい。
検索機能のデモは披露されなかったが、それはHuluがもっとも力を入れた部分だそうだ。
というわけで、文章で読んでも何がどういいのかあまりピンとこないかもしれないが、この記事のライターが注目しているのは、このサービスの背後にいる人たち。
SVPのBen Smith氏とProduct VPのRichard Irving氏。両名ともMicrosoftのXboxチームに長く携わっていた人たち。この二人なら何か面白いことをやってくれるに違いないとの期待に胸が膨らむ。
これに負けじと、Sling TVとDirecTV Nowは数か月以内に大幅な改善を予定している。YouTube/Googleも何か新しいものをやろうとしている。
これからのストリーミング体験が楽しみになってきた。