地上波放送のみのTV視聴が増加中


Parks Associatesが発表した調査結果によると、米国のブロードバンド世帯のうち、TV視聴を地上波放送のみに頼っている世帯は2013年から着実に増加しており、2016年第3四半期で15%に達している。

Parks Associatesのホームページより
Parks Associatesの発表文書より

最近特に増加率が大きくなっているのが特徴的だ。例えば2016年の第2四半期から第3四半期にかけての伸びは、それ以前の伸びよりも大きい。(グラフの横軸の目盛間隔は一定ではないので、直近の伸びは見かけ以上に大きいことになる。)

一方、ブロードバンド世帯に占める有料TVサービスの加入世帯は毎年減少しており、同第3四半期には81%になっている。

その要因としては、OTTビデオ市場の成長、有料TVサービスの値上げ傾向、代替手段に関する情報の浸透などが挙げられている。

その他の特記事項として、以下のような点が挙げられている。

  • 2016年に有料TVをダウングレード(安いプランに変更)した加入者(12%)はアップグレード(高いプランに変更)した加入者(6%)よりも2倍多い。
  • 有料TVサービスへの新規加入は2012年から逓減傾向。
  • コードネバー(一度も有料TVサービスに加入したことがない利用者)が有料TVサービスに加入したケースは、2016年(2%)は2015年(4%)に比べて半減。
  • コードネバー世帯の比率は徐々に増加している。

従来型の有料TVサービスは着実に減少しており、2017年はオンライン有料TVサービス成長の年になるとしている。

品質的には従来型の有料TVサービスの方が優れているが、OTTビデオサービスは発見、持運び性、パーソナライズされたユーザ体験といった面で優れており、消費者の関心は、コンテンツへのアクセス、利用の容易さ、便利さといった方向に向いているとも述べている。

ただ、消費者の一番の関心はできるだけ安く視聴できることであり、地上波のみのTV視聴スタイルが増えているのもそれが大きな理由だ。