「ドーナツに値するコーヒー」の味は


新しくなったKrispy Kremeの「ドーナツに値するコーヒー」を試してみた。

kkcf02

Krispy Kremeの新しいコーヒーは、軽めの「スムーズ」と強めの「リッチ」の2種類。

「スムーズ」は、苦味や酸味や香りが抑えられた実に控えめなコーヒーだった。日本のいわゆる「アメリカンコーヒー」のように色が薄いわけではないし、味が薄いわけではないのだけれど、特に酸味が強いとか、何かが強いといったものはなく、すべてが丸く収まっているという感じだ。

このコーヒーだけを飲むとしたら物足りない感じがする。それゆえ、ドーナツがほしくなるという筋書きが見えてくる。

片や「リッチ」の方は「スムーズ」よりやや味や香りが強いが、いわゆる「ヨーロピアンコーヒー」に比べたら全然強くない。日本の一般的な「ブレンド」と同じか、それよりも軽いかもしれない。コーヒーらしい味や香りがするが、やはり特に何かが強いといった個性はない。

このコーヒーだけを飲むとしたら、それはそれで楽しめないこともないが、ドーナツと一緒に楽しむとしたら、それはそれで楽しめる。後味がすっきりしているので、ドーナツで甘くなった口の中を整えるのにはちょうどいい。

結論として、どちらもコーヒー自体の存在感はそれほど強くないが、ドーナツを引き立て、ドーナツの食体験を補完する役割を果たすのには十分と言える。

スタバのコーヒーはそれ自体が存在感を強く発揮しているように感じられるが、ドーナツ屋さんのコーヒーはあくまでも脇役であって、主役はドーナツだということを忘れてはいけない、ということを教えてくれるコーヒーだ。

そういうわけで、新しいコーヒーは脇役として個性を抑えた中での進化なので、今までのコーヒーと比べて、特に大きく変わったという強い印象はなかった。

それよりもドーナツの方が今までとは違っていた。コーヒー1カップにつき1個おまけでもらえたオリジナル・グレーズドのドーナツは、温かくて出来立てのようだった。

しかし柔らかい。柔らかすぎる。手でつまむと形が崩れて食べる前に「メルトダウン」しまうほど。今までよりも若干油が生地に染み込みすぎている感じもした。生地の水分が多すぎたのではないか。これではせっかくコーヒーが進化したのに、ドーナツの方がコーヒーに値しない。

このドーナツは今回のおまけ用に失敗作を充当したものか、それともレシピを変えて「とろけるドーナツ」を考案したか。

真相は今後の調査課題としたい。