Snapの四半期決算は狂気の沙汰


Snapの四半期決算は増収ながら赤字は大幅に拡大。その内容は狂気の沙汰だ。

写真・ビデオ主体のSNS「Snapchat」を運営するSnap Inc.が2017年第1四半期の決算を発表した。2017年3月にIPOを果たしてから初の決算発表となる。

デイリーアクティブユーザ数(DAU)は1億6,600万人で、2016年第4四半期に比べて5%増、800万人の増加となった。前年同期比では36%増となり、第4四半期の48%よりも落ちていることや、四半期ごとの純増数も2016年後半から減少傾向を示していることから、この成長鈍化の兆しを受けて、同社の株価は決算発表の直後に24%下落した。

売上は1億4,965万ドルで、前年同期の3,880万ドルから大幅な増収だが、原価だけで1億6,336万ドルもかかっており、既に売上を上回っている。

Snapの損益計算書(Form 10-Qより)
Snapの損益計算書(Form 10-Qより)

特に驚きなのは、この四半期の純損失が22億ドルと、異常に大きかったこと。しかも、このうち20億ドルが「Stock-based compensation(株式関連報酬)」というもの。

Snapの四半期業績推移(Google Financeより)
Snapの四半期業績推移(Google Financeより)

Recodeによれば、その内容は、ほとんどがエヴァン・スピーゲルCEOの報酬ということだ。

IPOを達成したことによるボーナスが含まれているというが、同CEOは既に十分大金持ちなのに、その上さらにそんなに多額の報酬を支払う必要があるのか。

Snap自体は創業以来ずっと赤字を続けており、しかも赤字幅は拡大し続けていて、黒字化の目処は立っていない。

それどころか、Facebookが同様のサービスでユーザ数を急速に伸ばしており、既にSnapchatを追い越している。Snapchatは今後もますます成長が鈍化する可能性がある。

会社がそんな状態なのにCEOがそんなに多額の報酬を得るとは狂気の沙汰だ。

そんな会社でもニューヨーク証券取引所に上場できるというのも驚きだが、そんな会社に投資する人や株を買う人がいるというのも狂乱としか言いようがない。

まったくこの国はどうかしている。