T-MobileがVerizonの顧客を救出


T-MobileがVerizonの顧客を救出すべく「#GetOutoftheRed」キャンペーンに動き出した。

「アンキャリア」のT-Mobileが夏の始まりを祝って一連の施策を展開する。第一弾として、Verizonの顧客を救済する「#GetOutoftheRed」キャンペーンを発表した。

5月31日から、対象のスマホを持っているVerizonの顧客は、T-Mobileショップに駆け込むべし。対象のスマホとは以下のとおり。

  • iPhone SE、6s、6s Plus、7、7 Plus
  • Google Pixel、Pixel XL

Verizonよりも高速のネットワークでデータが無制限に使えて、端末の残債もなくなるという。その上、端末保証制度の付いたT-Mobile ONEに入れてもらえる。

今までも似たような乗り換えキャンペーンはあったが、古い端末を持ち込めるというのは新しい。すなわち、乗り換える際にT-Mobileで新しい端末を購入する義務はなく、今持っている端末を下取りに出す必要もない。

端末の残債が多額に残っているユーザにとっては朗報だ。

ところで、T-MobileがなぜVerizonの顧客を救出しようというのか。T-Mobileが言うには、Verizonはデータ無制限プランを開始してから、ネットワークの速度が遅くなっているからだそうだ。一方T-Mobileの方はネットワークを高速化しているので、Verizonよりも23%も速くなっているとのことだ。

VerizonとT-Mobileの速度比較(T-Mobileの発表文書より)
VerizonとT-MobileのLTE下り速度比較(T-Mobileの発表文書より)

Verizonのポストペイド顧客へのアンケート調査によると、2,300万件の顧客が他社に乗り換える可能性があると答えているが、今年中に乗り換えると答えたのはたったの900万件。すなわち1,400万件の顧客はVerizonに縛られている可能性がある。

対象のスマホが限定されているのは、VerizonのスマホをT-Mobileのネットワークで使うためには、一定のソフトウェアがグローバルに対応している必要があるからだそうだ。

Verizonの顧客だけが対象なのは、AT&TとSprintの端末はSIMロックの解除が必要なのと、T-Mobileのネットワークですぐに使えるようにはなっていないからだそうだ。

AT&TとSprintの顧客でもT-Mobileに乗り換えることはできるが、T-Mobileで新しいスマホを分割払いで購入しないといけない。その代わり、今持っている端末の残債または早期解約料をT-Mobileが負担してくれる。本来は今持っている端末を下取りに出す必要があるが、期間限定で下取りに出さなくてもいいことにした。

さらにT-Mobileは既存顧客向けにも施策を用意した。5月25日から、2回線以上持っていれば、追加2回線を1回線分の料金で使えるようにする。たまたま2回線追加しようと思っていた既存顧客にとっては朗報だが、そんな既存顧客がどれだけいるか。

一度Verizonに乗り換えてから、T-Mobileに乗り換えたくなってきた。