T-MobileはWindows Phoneを推進


T-Mobileは今が正念場だ。2011年中はAT&Tとの合併話で身動きがとれず、顧客も大量に流出した。2011年12月に合併話がなくなった。さて、これからどうするか。

T-Mobile USAのCEO、Philipp Humm氏がSeattle Times紙のインタビューに答えた様子をWPCentralが「曖昧だが積極的」と伝えた。

WPCentralより

その中で、Windows Phoneは現在好調で今後も積極的に推進すると同氏は述べている。

「Microsoftとの関係はとてもうまく行っている。Windows Phoneは特に今までスマホを使っていなかった顧客層には最適だ。Microsoftのユーザーインターフェイスは簡単で使いやすくてデザインもいい」と。

Windows Phoneの売れ行きはどうかとの質問に対しては、「好調だ。Microsoftに聞いても、T-Mobileには満足していると答えるはず」と自信を見せる。

実際、Windows PhoneにとってT-Mobileは2番目に大切なキャリアだ。HD7、Dell Venue Pro、HTC Radar、Nokia Lumia 710など次々とWindows Phoneを投入している。あまりハイエンドでない機種もあるが、評判は上々とのこと。

今後、Windows PhoneにとってT-Mobileがなくてはならないキャリアになるかどうかは定かではないが、まだ何台かの新しいWindows Phoneをマジシャンのように袖に隠してしていることを期待しながらWPCentralは記事を締めくくる。

他社と同じようなことをやっていては到底勝ち目のないT-Mobileだが、Windows Phone自体がiPhoneとAndroidの複占市場に食い込めるかどうかの課題がある中で、Windows Phoneで起死回生を果たすという課題をクリアするのは、T-Mobileにとっては大きな挑戦だ。

もっともT-MobileとしてはWindows Phone一筋で行くわけではない。上記インタビューでのその他のトピックをいくつか紹介する。

– T-Mobileでは今何が起こっているのか。
「さまざまな成長分野に投資する準備のためにリストラしている」

– 何人レイオフするのか。
「900人をレイオフするが、同時に新たな職種を創出して550人採用するので、実質350人の削減」

– B2Bの職種は追加されるのか。
「550人とは別枠でB2Bの職種として1000人採用する。全国規模で2-3年かけて。結局は増員だ」

– 成長性の低い部分は。
「いろいろな部分で経費削減などの改善を図る。たとえばトップと顧客との間の階層を減らす。それにより組織としての機動性もよくなる」

– 成長性のある分野は。
「ビジネス部門。さまざまな販売チャンネルへの投資を進めている。新たなスキルを持った新しい人材が必要」

– 何が変わったのか。
「これまでB2B自体に力を入れていなかった。それがB2Bでのシェア5%の理由。この分野でもシェアを上げたいとの野心が今までと違う」

– 一般家庭顧客に対してはどう変わるのか。
「1年前のCMと比べるとわかるが、今までは安さだけを強調していたが、最近は技術力もアピールし、最新の4Gと安さの両方を売り物にする方向に進化している」

– 安さは引き続き売り物にするのか。
「する。安さは引き続き必要だ。現在の料金ポジショニングを変える必要はない。安さを維持しながら技術面も追加していく」

– iPhoneを売る必要はないか。
「結局はiPhoneは優れた重要なスマホだ。ただ、それを販売奨励金を出してまで自ら売るのがいいのか、それともiPhoneが使えるようネットワークを開放しておくのがいいのかということ。販売奨励金を使わない料金プランの展開でかなりの成功を収めている」

– Verizonが計画しているようなファミリーデータプランは追加しないのか。
「ファミリープランに対する考え方が違う。回線を追加すると割引が受けられるとかテザリングが込みになるような形でのファミリープランは既に実施している。旧来の音声モデルのファミリープランをデータにもそのまま適用しようとすることは間違い。たとえば3人家族で子供が10代だとする。5GBのファミリープランに入ったとする。子供がHD映画を見る。家族共通のデータ許容量はすぐに使い果たす。仕事でデータをダウンロードしようとすると使えない。追加のデータ使用料を支払うはめになる。このようなプランは現実的ではない。顧客は喜ばない」

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