T-Mobileがシニア向けプランを発表


T-Mobileがシニア向けに無制限2回線で月60ドルという新プランを提供すると発表した。

T-Mobileのホームページより

新プラン「T-Mobile ONE Unlimited 55+」は55歳以上の「シニア」が対象。通常料金だと1回線目が70ドル、2回線目が30ドルで、合計月100ドルとなるところ、自動払いの割引も含めて4割引になる。8月9日からスタートする。

主契約者が55歳以上であればよく、2回線目を利用する人は55歳未満でも構わない。最大2回線までしか利用できない。

他社のプランを含め、今までは3-4回線以上使えば安くなるというプランやプロモーションなどはあったが、2回線でお得になるというのは珍しい。

Sprintの無制限プランも1回線目が60ドル(今はプロモーションで50ドル)、2回線目が40ドルで、3-5回線目が無料になるというプロモーションを実施中だが、2回線だとメリットはない。

T-Mobileによれば、55歳以上のシニア世代は、ワイヤレス市場の成長と発展に尽力し、多大な貢献をしてきたにもかかわらず、今まで相応の扱いを受けてこなかった。

今までのシニア向けサービスと言えば、画面や文字が大きくて見やすい、ボタンが大きくて押しやすい、操作が簡単で使いやすい、データはほとんど使わないことを想定したプランなど、まるでインターネットやスマホが登場する以前の生活を今も続けているのだろうと言わんばかりの内容。

実際には、米国では55歳以上のシニアが9,300万人いて、その74%がスマホを使っている。平均で1日あたり149分もスマホを使っている。スマホに取り憑かれている「ミレニアル」世代といえどもスマホを使っている時間は1日あたり171分だから、大差はない。シニアだからスマホを使わないとか、データを使わないという考えは、もはや通用しない。

そういうわけで、ワイヤレス市場を生み出した偉大なベビーブーマーたちに敬意を表して、それに相応しい新プランを提供しようというものだが、あまりにも魅力的なプランであるため、申し込みに当たっては55歳以上であることを証明する身分証明書の提示が必要となる。

ジェネレーションX(1965-1980年生まれ)やミレニアル(1981-2000年生まれ)の方々はさぞご不満だろうが、くれぐれも身分証明書を偽造するようなことは考えないように、と釘を刺している。

シニア向けのサービスとはいかにあるべきかについて考えさせられる。