こんなアパート出て行ってやる(その2)


アパートに退去予告を突きつけたら、1,000ドル返金するから考え直さないかとの返事が来たが。

アパートの家賃の毎年の法外な値上げと管理オフィスの担当者の態度の悪さが腹に据えかねたので、引っ越すことを決意し、退去予告を管理オフィスに突きつけた。

「突きつけた」と言っても、メールで出したので、相手側に「突きついた」かどうかは定かではない。退去予告を受け取ったとの確認が、自動返信メッセージで来ただけで、管理オフィスの担当者からは何も反応がなかった。

ともあれ早速アパート探しを始めた。空港の南のバーリンゲームという町に良さそうな物件を見つけた。海(サンフランシスコ湾)に近く、海から空港越しにダウンタウンを眺められる場所にも近い。

サンフランシスコ湾から空港越しにダウンタウンを望む

Caltrainという鉄道の駅のすぐそばなので便利だ。建物は古いが今のアパートより家賃が少し安い。

現地に下見に行ってきた。建物が古いからか、あちらこちらで修繕工事をしていた。スタッフに希望の間取りを伝えると、12月半ばに空く予定の1階の部屋と、今すぐにでも入居可能な2階の部屋を候補に挙げてくれた。

1階の部屋は線路に面していて眺めはいいが電車の音がうるさそうだ。2階の部屋は1階よりも家賃が少し安いが高速道路に面していて窓からの眺めが殺風景だ。

どちらも一長一短だ。引っ越し予定の12月半ばまでにはまだ余裕があったので、もっと条件のいい部屋が空くのを期待して、もう少し様子を見ることにした。

それから1週間位経って、今住んでいるアパートから、正式な退去通知に署名するようにとの連絡が来た。これに署名しないと退去通知は有効にならないとのことだ。指示通りにDocuSignというサービスを使って署名した。紙は使わずに、すべて電子的に行われる。

それからまた1週間位経って、今住んでいるアパートの管理オフィスからテキストメッセージが届いた。もし今のアパートに留まるなら1,000ドルのギフトカードと特別オファーを用意している。詳細を知りたければ「Y」と返信するようにと。

「Y」と返信してみた。

詳細がメールで来たが、内容は1,000ドルのギフトカードをあげるというもの。家賃の値上げについてはこの前通知したとおりだと言う。「特別オファー」はどうした?

1,000ドルのギフトカードはやや魅力的だが、担当者の態度の悪さを帳消しにするほどではない。

アパートを出る決意は変えないことにした。