モバイル広告の効果やいかに


モバイル広告をクリックする人は非常に少ないとの調査結果が公表され、効果が疑問視されている。

モバイルコマースのパートナーシッププラットフォームを提供するButtonとアプリの販売データ調査会社のApp Annieが共同で実施・発表した調査結果「2017 Index: The Mobile Consumer」の一部をeMarketerが紹介している。

2017年10月31日から11月2日までの間に米国主要8都市において18才から73才までの1,106人のスマホユーザにインタビュー調査を実施したもの。実際のインタビューはButtonから委託されたサンフランシスコの独立調査会社のSurvataが行った。

モバイル広告を意図してクリックするかどうかの質問で、「絶対にしない」、「滅多にしない」、「時々する」、「頻繁にする」、「非常に頻繁にする」の5種類の答えを用意した。

eMarketerより

「絶対にしない」と「滅多にしない」を合わせて否定的回答とすると、「ミレニアル」世代(18-34才)は59%、「ジェネレーションX」世代(35-54才)は64%、「ベビーブーマー」世代(55-73才)は73%が否定的回答だった。

一方、「頻繁にする」と「非常に頻繁にする」を合わせた肯定的回答は、「ミレニアル」世代は10%、「ジェネレーションX」世代は8%、「ベビーブーマー」世代は4%という結果。

この結果は「やっぱりな」という感じ。我が身を振り返ってみても、スマホやタブレットを利用中に出てきた広告をクリックすることはまずない。迂闊にクリックすると悪質なフィッシングサイトに誘導されたり身に覚えのない課金をされたりするのではないかとの不安もあるので、全然クリックする気になれない。

ただ、間違えて(意図しないで)クリックしてしまうことはある。上記の調査は、広告を「意図的に」クリックするかどうかを問うもので、間違ってクリックするものはカウントされない。

ところで、最近腹立たしく思うのは、意図しないクリックを誘発させようとしているのではないかと思われるサイトをよく見かけることだ。目的のボタンをクリックしようとしたら、瞬間的にボタンが逃げて広告に置き換わり、勢いを止められずに広告をクリックしてしまうというもの。これは本当に忌々しい。

これはサイトの運営者が広告のクリック数を稼ぐために勝手にやっているのかもしれないが、こんな広告を出す広告主に対してはいいイメージが持てない。こんな広告は却って反感を招き、逆効果だろうと思うのだが。

当の広告主はそんな実態を知っているのだろうか。