これは食洗機の革命か


ラスベガスで開催された家電見本市(CES 2018)で発表された数々の新製品の中で、Heatworksの食洗機「Tetra」が気になった。ひょっとしたらこれは食洗機の革命ではないか。

アメリカでは安いアパートでもビルトインタイプの食洗機が付いているのは珍しくない。けっこう大きいので単身や少人数の家族だと食洗機に食器を満たすことができず、結局手で洗おうということになる。せっかくの食洗機が結局は、手で洗った後に水を切るための食器置き場と化してしまう。

手で食器を洗うという原始的な方法は、水はたくさん使うし、手は荒れるし、時間は取られるしで、あまりいいことがない。不便を感じている人は多いと思われるが、この分野は長年技術革新がない。ちなみに、手で洗うと食洗機で洗うより10倍も多く水を使うそうだ。

今や、音声で家電が操作でき、無人で自動車が動く時代。食器洗いにも画期的な方法が現れてもいい頃だ。と思っていたときに目にしたのが、Heatworksのコンパクトな据置型の食洗機「Tetra」だ。

HeatworksのTetraの紹介映像より

据置型の食洗機と言えば、本体を水道管につなぎ、本体からの排水用ホースも排水口に向けて設置する必要があった。要するに食器を洗うために水を使うので、水の出入り口を確保する必要があるというのが常識だった。

ところが、Heatworksが発表した「コネクテッド食洗機」は水道管につなぐ必要がない。排水用のホースもない。水はタンクに手で入れる。本体はコンパクトだが2人分の食器セットが収容できる。皿だけなら10枚、グラスなら12個も可能。1回の洗浄作業は10分で完了する。

これで本当に食器がきれいになるのかが心配だが、同社の説明によれば、特許取得済の「Ohmic Array Technology」という技術を使い、水は洗うためというよりはミネラルを活性化させて熱を発するために使うので、これでもちろん食器はきれいになるし、哺乳ビンを殺菌したり、フルーツを洗ったり、シーフードを調理したりするのにも使える。理論的には衣類でも何でも洗浄・殺菌することができるはずだ。

インターネットにもつながっているそうなので、スマホでコントロールできるとか、遠隔で状況をモニターできるとかいう機能があるのかもしれないが、基本的には自宅で使えればいいのでインターネットにつなげる必要はそれほどないのではないかという気もする。

いずれにせよ、食器を洗うという分野にいよいよ技術革新がやって来るかもしれないとの期待でワクワクする。