Amazonのプライム会費の謎

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Amazonプライムの月額会費が2月19日から値上げされたが、これには謎が多い。

Amazonのホームページより

Amazonは1月19日に有料会員「プライム」の月額会費の値上げを発表した。これまで10.99ドルだったのが12.99ドルになる。値上げは2月19日以降に発生する月額会費から適用される。

1年分にすると131.88ドルから155.88ドルへの大幅値上げとなる。年額会費はこれまでの99ドルから変更されないので、月額と年額の差がずいぶん大きくなる。

この値上げには多くの謎がつきまとっている。

まず、なぜ今回値上げしたかが謎だ。同社の広報担当者は、値上げの理由として、プライム特典に対する会員の「旺盛な需要」があるとしている。プライム特典を拡充してコストが増加したので値上げすることにしたという説明のようだが、これでは月額だけ値上げする理由にはならない。

なぜ値上げしたかの理由として、Forbesは「値上げできるから」だとしているが、これは「よくわからない」と言っているようなものだし、依然として月額だけ値上げする理由は不明だ。

要するに、なぜ今回値上げしたかはよくわからないというのが実情だ。当のAmazonが理由をはっきり説明していないのだから仕方がない。

Seeking Alphaに「Amazonがプライム月額会費を値上げした本当の理由」という記事を寄稿したGary Bourgeault氏は、Amazonが月額会費だけを値上げして、年額会費との差が大きくなった点に着目して、想定される理由を説明している。

この値上げによって、相対的に年額に割安感が出るので、月額会員を年額会員に誘導しようという意図が考えられるが、なぜ年額に誘導したいのかが問題だ。

値上げ後、これまで月額を利用していた会員の中には年額に移行する会員もいるだろうが、解約する会員もいるだろう。同氏によれば、月2ドルの値上げ、すなわち年間24ドルの値上げで解約してしまうような会員は、おそらく利用額は小さく、Amazonにとってコストばかり高くついて売上や利益の増加には貢献していない会員だろうから、Amazonとしては切り捨ててもいい会員だ。

そのような会員を切り捨てて収益を改善するとともに、優良会員を年額に移行させることで売上も安定するし予測可能性が高まる、というのが今回の値上げの大きな理由だろうというのが同氏の見方だ。

これなら一応、月額だけ値上げした理由としては説明がつくが、あくまでも同氏の推測であり、実のところは謎だ。

さらにAmazonのプライム会費はこれまで値上げしてもあまり否定的な反応や結果が出なかったというのも謎だ。たとえば年額会費は2014年3月に79ドルから現在の99ドルに値上げされたが、このときは、投資家などからは大歓迎され、実際、プライム会員も減るどころか逆に増え、その後も着実に増え続けている。

今回の値上げに対しても上記のForbesは好意的で、年額会費もじきに値上げされるだろうが、プライム特典にはそれだけの価値があり、たとえ年額会費が200ドルになったとしてもその価値はあるとコメントしている。こんなに評価がいいのも謎だ。

ところで、今回の値上げにより年額会費の方は99ドルで割安感が出たことになるが、日本のプライム会費は月額400円、年額3,900円と、アメリカに比べるとずいぶん安い。

日本のプライム会費がなぜこんなに安いレベルに維持されているのかも謎だ。