Alexaで寄付ができると言うが


Amazonの人工知能「Alexa」で寄付ができるようになったと言うが、心配もある。

The Vergeによれば、Amazonは、Alexaで寄付ができる「Amazon Donations」という新機能を発表した。これにより、Amazon Echoなどのスマートスピーカを通して音声だけで慈善団体に寄付金を送ることができる。

今のところ、送ることのできる相手先はAmerican Red Crossなど48団体に限られるが、順次拡大する。

送り方は、「Alexa, donate [金額] to [送り先].」と言えばよい。または「Alexa, make a donation.」と言うと、Alexaが「どこに送りますか」、「いくら送りますか」と聞いてくるので、それに答えるというやり方でもいい。支払はAmazon Payに登録しているクレジットカードにチャージされる。

そこで心配なのが、間違えて送ってしまわないか、不正に送られてしまわないか、ということだ。

Alexaは普段から室内の会話に聞き耳を立てている。普通に会話をしたりテレビを観ていたりしても、突然Echoが光り出すことがある。「Alexa」またはそれに似たような単語を聞き取ると、その都度反応する。送金を指示するような会話を聞き取って実行してしまうことはないのか。

可能性としてはないとは言えないだろうが、実際問題としては、偶然似たような会話をしたのを聞き取って、意図せずに送金が実行されてしまうことは滅多にないだろう。ただし、意図的に不正に送ることは、できないことはないかもしれない。

たとえば、他人が室内に侵入してAlexaに指示する、外から大声で指示する、テレビのCMで「Alexa」を挿入して寄付を募るなど。

そういうこともあろうかと、Amazonは既に対応策を講じているようだ。TechCrunchによれば、Alexaは意図しない送金を防ぐため、4桁の確認コードを音声入力するようになっている。そのコードがわからなければ家族といえども勝手に送金はできない。

逆にそのコードを忘れてしまうと、本人でも送金ができなくなる。忘れないためにどこかに書き留めておくと、見付けられて不正利用される可能性が高くなる。また、Amazonの顧客情報が流出してコードまで知られてしまう可能性も考えられる。

そういうわけで、心配の種は尽きない。