銃乱射事件のヒーローは


テネシー州で起こった銃乱射事件で多くの命を救ったヒーローは、AT&Tの従業員だった。

Tennesseanによれば、4月22日の明け方にテネシー州アンティオークで銃乱射事件が発生し、4人が死亡し4人が負傷した。犯人は「AR-15」というライフル銃を所持し、レストラン「ワッフルハウス」の外で乱射した後、店内に押し入ってさらに乱射を続けた。

勇敢にもこの犯人に飛びかかってライフル銃を取り上げた一般人がいた。ナッシュビル警察が「ヒーロー」として発表したのはジェームズ・ショーさん(29才)。たまたま事件の直前に友人とお店に入った。

銃声を聞いて、咄嗟にトイレに隠れて様子を窺った。その後、乱射が一旦収まったタイミングで犯人にタックルし、銃を取り上げてカウンターの向こうに放り投げた。これにより犯人は逃走した。(執筆時点では)まだ捕まっていない。まだ銃を2丁所持している可能性がある。

死傷者が出てしまったのは残念だが、もしショーさんの行動がなければ犯人はワッフルハウスに立てこもって乱射を続け、さらに多くの犠牲者を出していた可能性がある。ひとつ間違えたら自分も犠牲者になるところで、普通の人にはなかなかできないことだ。

ショーさんはインタビューで、「自分はヒーローではない。スーパーマンでもターミネーターでもない。自分が助かりたくてやっただけだ」と述べている。また、ナッシュビル生まれで4才の娘がいて、AT&Tで働いているとも述べていた。

ショーさんのFacebookを見ると、たしかに「American Telephone & Telegraph」の「wire technician」だと書いてある。同氏はさらに、今回の犠牲者の家族のために募金活動も開始した。

AT&Tにこんなに勇敢で謙虚で親切な従業員がいたとは、とAT&Tへの信頼感も高まるかもしれない。

ネット上では同氏に対する賞賛の声が多数寄せられている。

ところで、犯人が使用した「AR-15」というライフル銃は、米国で頻繁に発生する銃乱射事件によく出てくる極めて「人気」の高いモデルだ。非常に殺傷能力が高い。

こんな武器が誰でも簡単に入手できるとすれば、この国はどうかしている。

[Update] 容疑者は4月23日午後(米国中部時間)に拘束されたと報じられた。