Uberがいろいろな意味ですごい


Uberがいろいろな意味ですごいことになっている。

Googleの親会社のAlphabetが2018年第1四半期の決算を発表したことで、Nestの収益以外にも明らかになったことがある。

2018年1月1日から会計基準が変更され、未公開株の持分の評価損益も財務諸表に反映させることになった。Alphabetが保有している未公開株で大きいのはUberだ。

MarketWatchによると、2013年8月にGoogle VentureがUberに2億5,800万ドル出資したが、そのときのUberの企業価値は37億6,000万ドル。2017年12月にソフトバンクが単独で12億5,000万ドル出資したときのUberの企業価値は約680億ドル。その後、Uberがソフトバンク率いるコンソーシアムに20%の株式を売却した際に、Uberの企業価値は480億ドルに減少したが、それでもAlphabetの持分は30億ドル以上になっていると見込まれている。

そのおかげで、ただでさえ好調なAlphabetの決算値がさらに好調となった。Uberを含む投資による収益はIncome Statement(損益計算書)の「Other income (expenses)(営業外収益(費用))」に反映される。この数字が前年同期の2億5,100万ドルから35億4,200万ドルに跳ね上がった。

AlphabetのIncome Statement(2018年第1四半期決算報告書より)

EPS(1株当たり純利益)も前年同期の7.73ドルに対して、13.33ドルと大幅に増加した。今回の会計基準の変更によって3.40ドルも上乗せになったそうだ。

このように、Alphabetの決算値に大きな影響を与えたUberだが、Uber自身の収益がどうなっているのかと言うと、これがまたすごいことになっているようだ。

これは2017年12月時点の情報だが、Naked Capitalismによると、Uberは2015年に26億ドルの赤字、2016年に40億ドルの赤字、2017年には50億ドルの赤字が見込まれ、未だに収支が改善する見込みがないという。こんな財務状況だということもすごいが、そんな会社に多額の出資をするというのもすごいことだ。

また、Uberは2017年に新しいCEOを迎え入れるため、支度金を含め2億ドル以上を支払う見込みと報道された。こんなに大赤字で改善の見込みがないというのに、新CEOに破格の報酬を支払うというのもすごいことだ。

さらに、2018年2月には「Uberのドライバーの時給の中間値は3.37ドル」とする調査結果をMITの研究所が発表して世間を驚かせたが、これには誤りがあったようで、後に8.55ドルに訂正された。UberのCEOが「MIT = Mathematically Incompetent Theories(数学的無能力理論」だとバカにした。時給の中間値が8.55ドルだとしても、大半のドライバーが最低賃金以下の報酬だという状況に変わりはない。

いろいろな面ですごいことになっているが、もしこれでUberのビジネスモデルが成り立つのだとすれば、それはとてもすごいことだ。