Amazonプライム会費の謎は深まる


Amazonプライムの年額会費が値上げされたが、謎は深まるばかりだ。

Amazonは米国のプライム会員の年額会費を99ドルから119ドルに値上げした。既存会員は6月16日以降の更新時から、新規会員は5月11日から新会費が適用される。

1月に月額会費を値上げしたときは、年額会費は据え置かれたが、今回は月額会費はそのままで年額会費だけが値上げされた。

年額会費の値上げを発表したのは、2018年第1四半期の極めて好調な決算を発表したとき。そんなに業績が好調なのになぜ値上げするのか、理解しがたい。

Varietyが「Amazonはなぜプライムの年額会費を20%も値上げするのか」と題する記事を掲載している。それによれば値上げの理由は、配送コストやデジタルコンテンツの調達コストが上がっていることと、プライム会員の大部分は値上げを受け入れるだろうとAmazonが考えているから、ということだ。

前回、2014年3月に年額会費を79ドルから99ドルに値上げしたときも、プライム会員の利用は減るどころか逆に増えたそうだ。使い方によっては400ドル相当の価値があるとの試算もあるので、119ドルでもまだ割安との見方もある。

それにしても、今どき20%値上げしても消費者が使い続けるサービスがあるというのか。値上げ後の様子を見守ることとしたい。

ところで私事で恐縮だが、5月9日にAmazonプライムの年額会費がクレジットカードに課金された。金額は107.91ドル。値上げ前だから99ドルのはずではないか。もっとも値上げ後だと119ドルになるはずだから、いずれにしても計算が合わない。

調べたら、99ドルに9%の売上税(消費税)が上乗せされていた。米国のプライム会費は消費税が別途かかるのか。「税別」などの表示は一切ないが、消費者保護上問題にはならないのか。

日本のプライム会費は年額で3900円。しかも税込みだ。金額が安い上に税込みで、きちんと「税込み」と表示されている。

米国に比べて日本はなぜこんなに良心的なのかも、依然として謎だ。