デジタルナンバープレートが登場


カリフォルニア州でデジタルナンバープレートが登場したが、普及するかどうかは疑問だ。

Reviver Autoのホームページより

車のナンバープレートの情報が電子的に表示されるので、車両登録の更新などの際の作業が簡単・便利になる。これを製造・販売しているのはReviver Autoという民間会社。

通常のナンバープレートは、州名とナンバーが刻印されたプレートの上に、有効期限の年月を表示するステッカーを貼るようになっている。プレートの右上に年のステッカーを、左上に月のステッカーを貼る。

車両登録は毎年更新しなければならず、オンラインで更新手続きをすると年のステッカーだけがDMV(陸運局に相当。免許行政も司る)から送られてくる。このステッカーを張り替えるのは車の所有者がやらないといけない。なお、月は変わらないので月のステッカーは最初に貼ったものをそのまま使用する。

年のステッカーは古いのを剥がして新しいのを貼るか、剥がさないでその上に貼るかが問題だが、簡単には剥がれないようになっているので、アメリカ人は剥がさないでその上にどんどん重ねて貼っている人も多いように見受けられる。

そうすると、長年のうちにはずいぶん分厚くなってしまうことが予想されるので、できれば古いステッカーをきれいに剥がして新しいステッカーを貼るのが望ましいが、この作業が結構大変だ。

デジタルナンバープレートにするとこの作業が簡単にできることになる。と言うか、何もしなくてよくなる。オンラインで更新手続きをすれば更新情報が電子的にナンバープレートにロードされて、年の表示が自動的に更新されるというわけだ。

さらに、デジタルナンバープレートはメッセージボードや広告の表示板としても使えるそうだ。CPUやバッテリーやセルラー通信機能も備えていて、要するにタブレットのようなものなので、いろいろな情報を表示することができ、用途は無限に広がる。

もし車が盗まれたら、「この車は盗難車です」というメッセージを表示することも可能だし、アンバーアラート(誘拐事件が発生した際にいち早く車両の情報を周知・拡散して早期解決に資する)用の情報を表示するのにも使える。

これはたしかにメリットではあるが、デメリットを補って余りあるかどうかは疑問だ。

今のところ大きなデメリットとしては、価格がプレート1枚につき699ドルもする上に、月額7ドルの維持費がかかること。これを導入すればDMV側のコスト削減にもなるはずなので、その分登録料を安くするなどしてくれてもよさそうなものだが、今のところそのような情報はない。

なお、ナンバープレートは前後で2枚必要だが、年月のステッカーは後ろのプレートにだけ貼るので、デジタルプレートも後部用に1枚あればよい。前部には通常のプレートを付けることになる。

今は実験プロジェクトを開始したところということなので、使ってみて問題がないかどうかを確認し、問題があれば改善しようとしているのだろうが、まずは価格と月額費用の問題が改善されるのかどうかが鍵だ。

その上で、ナンバープレートで広告を表示すると小遣い稼ぎができるとか、何かお得で楽しいメリットがあれば、使ってみてもいいか。