AT&Tがなりふり構わず値上げ


AT&TがTVストリーミングサービス「DirecTV Now」の料金を8月1日から値上げする。

DirecTV Nowのホームページより

DirecTV Nowのプランはチャンネル数に応じて5種類。たとえば100チャンネル以上の「Go Big」プランは通常料金が月60ドル。

この「Go Big」プランは、サービス開始時にキャンペーンが実施され、月35ドルで提供されていた。対象期間中に利用を開始すると、キャンペーン終了後もずっと月35ドルで利用できていた。

ところが、AT&Tはこのほど、DirecTV Nowの料金を8月1日から値上げすると顧客に通知した。今まで月35ドルで提供していた「Go Big」は月40ドルになるという。他のプランもすべて5ドル値上げされるそうだ。

値上げの理由は、これまで20時間分無料のクラウドDVRを導入したりローカルチャンネル数を増やしたりといった改善策を講じてきたが、これからもそのような改善策を講じるため、と説明している。

AT&Tはこれだけでなく、ワイヤレスサービスのサーチャージの一種である「Administrative Fee(管理料)」というわけのわからない料金も値上げした。こちらの値上げの理由は、基地局のメンテナンスやキャリア間の相互接続料をカバーするため、と説明している。

1回線につき、4月に76セントから1.26ドルに値上げしたばかりなのに、さらに今回1.99ドルに値上げした。1回線あたりの金額は小さいが、全体では年間で10億ドル近い増収になるとの試算もある。

AT&TとTime Warnerの合併計画に対して司法省が訴えていた裁判の中で、司法省側の証人からは、合併すると料金が値上げされて消費者は毎年5億7,100万ドル余計に支払わされることになるとの意見が出されていた。

これに対して、AT&T側はたしか、合併すると効率が良くなってコストが削減できるので、料金は下がるというような主張をしていたはずだ。

合併が認められるや否や、それまでの主張を翻してなりふり構わず値上げするとは、あまり感心しない。

合併にお金を使いすぎて、よほど台所事情が切迫しているのかもしれない。