独立記念日の花火事情


7月4日の独立記念日には各地で花火が打ち上げられたが、違法行為や事故などが少なくないのが残念だ。

サンフランシスコは霧で有名だが、特にこの時期は霧が多く、毎年独立記念日の花火大会に支障が出ている。

ところが、どうしたわけか今年の独立記念日は、花火が打ち上がっている間は霧が出ず、終わった頃に霧が出始めるという珍しいケースとなった。

「サンフランシスコの花火で霧が出なかった」ということがニュースになるくらいだ。

ところで、サンフランシスコやその周辺のベイエリアでは、ほとんどの都市で個人が花火をすることは禁じられている。

一応、カリフォルニア州法では「safe and sane(安全かつ穏当)」な花火ならやってもいいことになっているが、都市ごとにルールがあり、「安全かつ穏当」な花火などありえないとの認識の下、ほとんどの都市では州で認められている種類の花火でさえもやってはいけないし、売ってもいけないことになっている。

それにも関わらず、違法に花火をする輩が実に多い。近所でも突然花火の音がして、発砲事件かガス爆発でも起こったかと、どきっとすることがよくある。

ABCによれば、サンフランシスコでは夜9時半から始まる花火大会のために、フィッシャーマンズワーフなどに数万人の観衆が集まったが、開始前に自分で持ってきた花火を観衆のいるすぐ側で打ち上げた不届者がいた。

サンフランシスコの対岸のオークランドでは夥しい数の違法な花火が打ち上げられている様子をCBSが伝えた。

サンノゼでも違法な花火が至るところで打ち上げられたとNBCなどが伝えている。

けが人も出ている。KTVU/FOXによれば、サンフランシスコでは、交差点で信号待ちをしていた歩行者が、足元で花火が爆発して左足をけがして病院に運ばれた。

コントラコスタ郡のアンティオックでは、自動車修理工場の作業員がゴミ箱に入っていた花火装置に触って爆発、両手の指が数本吹っ飛ぶけがを負った。

他の都市でもけが人が出たり火災が起こったりして、取り締まりや救助の活動も大忙しだ。まるで戦場のようだと述べている人もいるとNBCが伝えている。

さらに違法な花火は独立記念日だけではなく、その前後を含む相当の期間起こりうるので、独立記念日が過ぎたからと言って安心してはいけないとの注意喚起もされている。

米国全体では花火が原因で起こる火災が毎年18,500件。花火でけがをして病院に運ばれた人は2017年で約13,000人。

とても先進国とは思えない状態だ。