Amazonプライムデーの思いがけない勝者


7月16-17日はAmazonプライムデー。プライム会員向けにAmazonのショッピングサイトでいろいろなものが安く売られる、年に一度のイベントだ。

AmazonからのDMより

Amazonによれば1年のうちで最大のセールが行われるブラックフライデー(サンクスギビングデーの翌日の金曜日)を超えるセールを行うということなので、否が応でも購買意欲が高まる。

とは言え、必ずしも欲しい商品が安くなるとは限らず、さらに経験則から言えば、欲しい商品に限って安くなっていないことが多く、結局普段と同じ値段で買ってしまったり、安さにつられて不要なものを買ってしまうことになりがちなので、冷静な判断が求められる。

ところで、今年は何とこのイベントのおかげでAmazonの競争相手がAmazon以上に恩恵を受けたとCNBCが報じた。思いがけない勝者となったのはAmazonのライバルである家電量販店のBest Buy。

売上のデータはまだ出ていないが、検索件数の伸び率でAmazonを上回った。7月16日までの1週間のAmazonの商品の検索件数はその前の週に比べて544%増加した。

ところがBest Buyは、同じ期間の検索件数が712%も増加した。ちなみにWalmartは143%の増加、eBayは27%の増加で、多かれ少なかれ他社も恩恵を受けている。

すなわち、Amazonで安くなった商品について、「他ではいくらで売っているのか」あるいは「他でもっと安く売っていないか」ということを確認するために、他社の商品についても検索件数が増えたものと思われる。

これを利用して、この時期にAmazonよりも少しでも有利な条件で売れば、購入に結びつく可能性が飛躍的に高まることになる。実際に多くの小売店がプライムデーに合わせてセールを実施しているということなので、これはもはやAmazonだけのイベントではない。

それにしても、Amazonと同じくらいに検索件数が増えるのならわかるが、Amazon以上に検索件数が伸びているというのは、どういうことだろう。

たとえば、Amazonからのセール情報はメールで送られてくるので、検索しなくても値段を知ることができ、その情報に基づいて他社の商品を検索するというようなことが考えられる。

またはBest Buyはもともとの検索件数が少ないので、たとえAmazonと同じ件数だけ増えたとしても、伸び率はAmazonより大きくなるということもある。

いずれにしても検索件数が増えたからと言って、そのまま売上に結びつくとは限らないが、普段なら検索もされずに見過ごされてしまうことを考えると、検索件数が増えることは大事だ。