クラウドが好決算に貢献


主要企業の第2四半期決算が発表されたが、好決算の企業の特徴としてクラウドが貢献している事例が目についた。

たとえばAmazonの第2四半期決算で、クラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」の売上は前年同期比49%増の61億ドル。

成長率が高いだけでなく、利益率が高いのがクラウドの特徴だ。Amazonの場合、売上に占めるクラウドの比率は11%とそれほど大きくないが、営業利益のほぼ半分をクラウドが叩き出している。

Microsoftの決算内容も同様に、クラウドの成長率が高く、営業利益の増大に貢献していることを示している。

Google/Alphabetの決算値ではクラウドを取り出した内訳は示されていないが、決算発表の中でクラウドの成長や重要性について繰り返し述べ、要員増加の大部分もクラウドの増強によるものであると説明している。

調査会社のCanalysとSynergyがクラウドの成長ぶりや市場の特徴を伝えているのをTechCrunchが紹介している。

クラウドサービスでは何と言ってもAmazon Web Services(AWS)が最大手だが、それでも市場シェアはCanalysによれば31%、Synergyによれば34%。

以下、Microsoft(Azure)、Google、IBM、Alibabaと続くが、2位以下の4社の合計よりもAWSのシェアの方が大きい。すなわち、Amazonがダントツという状況。

Canalysによれば、上位3社で57%のシェアを占める。

Canalys/TechCrunchより

この市場ではAmazonが先行し、ずっと首位をキープしているが、まだ相対的安定シェアと言えるほどではなく、下位のプレーヤーに追いつかれ、追い抜かれるのではないかとの不安も拭えない。

ただ、今のところは、2位以下の会社のクラウドサービスは伸びてはいるが、首位のAmazonも伸びていて、Amazonのシェアを食い争っているわけではない。つまり市場全体のパイが大きくなりつつある。

いずれはこの成長は頭打ちになることが予想されるが、これからクラウドに移行しようという大企業も増えているので、少なくとも後数年間は成長を続けると見られている。

この市場への参入には多額の投資が必要とされることから、これから小さな企業が新規参入して大手と肩を並べることは難しい。

既に参入している各プレーヤーが足並み揃えて成長する余地も十分にあることがこの市場の特徴だ。