MoviePassが生き残り策を模索


映画館で映画を鑑賞するための会員制サービス「MoviePass」が生き残り策を模索している。

同社は月々会費を支払うことで映画館で一定回数の映画を鑑賞することのできる会員制サービスを2012年から提供しているが、経営状況が思わしくない。

アプリで映画や映画館を選び、事前に予約して席を確保できるという便利なサービス。

MoviePassのiOS用アプリ(App Storeより)

料金はこれまで紆余曲折があったが、現状は月9.95ドルで1日1回まで、月7.95ドルで1か月に3回まで、全米4000か所以上の映画館で映画が鑑賞できるというプランを1年前から提供している。

通常は映画館での鑑賞には1回で15ドル程度かかるので、映画好きにとって同社のサービスは非常に魅力的だ。

ユーザにとって非常に魅力的だということは、提供者にとっては経営的に非常に厳しいということにもつながる。

案の定、7月26日には同社の資金が底を尽いて関係業者への支払いが滞ったため、サービスが一時停止した。

親会社のHelios and Mathesonがヘッジファンドから500万ドルを借りて何とか支払いを履行し、サービスが復旧した。

7月31日には、現行の9.95ドルのプランを30日以内に14.95ドルに値上げすることなどを発表した。

8月6日にはその発表を修正し、料金は9.95ドルに据え置く代わりに映画館での鑑賞を1か月で3回までに制限することにした。すなわち、今まで7.95ドルで提供していたものを9.95ドルに値上げすることになる。

果たして経営を立て直すことができるのか。ちなみに市場は懐疑的だ。

何しろ、TeslaとSpaceXのCEOで会社再建を得意とするイーロン・マスク氏が、「この会社の再建はムリ」とツィートしているほどだから。

とは言え、ユーザにとって非常に魅力的なサービス。何とかして魅力的なまま生き残ってほしい。