NY市がライドシェアリングを制限

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ニューヨーク市がライドシェアリングの車両数を制限するなどの強硬策に出た。

The New York Timesなどによれば、同市は8月8日、UberやLyftなどのライドシェアリング(正確にはライドヘイリング)サービス用の車両の許可証の新規発行を停止する条例を可決した。停止する期間は1年間で、その間に市場の実態を調査する。また、市がドライバーの最低賃金を設定することも可能にした。市長が署名すると即時発効となる。

このような条例を決めたのは、米国の主要都市としては初めてのこと。ライドシェアリングの車両が増えすぎて道路混雑が悪化しているのに加え、ドライバーの賃金が低下しているのを改善する狙い。

ニューヨークはライドシェアリングでは全米最大の市場であることから、同市でのルールが他の都市にとっても模範になる可能性もある。

Bloombergによれば、今回この条例案を支持したCorey Johnson市議・広報官は、3年前に同様の条例案が審議されたときは反対していた。その時は、仕事のチャンスを奪われるドライバーや交通手段を失う利用者の切実な声を紹介するテレビCMをUberが流したのに感化された。

しかし今は事情が違う、Uberの口車には乗らないと述べている。ライドシェアリングの車両が増えすぎており、道路混雑がひどい。さらにドライバー全般の賃金が下がって苦しい生活を強いられているという実態も忘れてはならないとしている。

ニューヨーク市のタクシー・リムジン委員会によれば、アプリを使用したライドシェアリングの車両は2015年には12,600台だったのが、今や8万台を超えている。それも乗客を乗せていない車両が目立つという。

ニューヨーク市タクシー・リムジン委員会/Bloombergより

これに対してUberは、需要が伸びているのに車両が増やせなければ料金値上げや待ち時間の増加につながると反発している。地下鉄がよく信号故障などで止まったり遅れたりする現状においては、ライドシェアリングは極めて重要なバックアップ手段になっているとも主張する。

道路混雑の悪化や空車が目立つ現状を考慮すると、Uberの主張はやや弱いように思われる。さらにドライバーの惨状という問題には答えていない。

特にタクシードライバーの生活困窮が甚だしいようだ。上記のThe New York Timesは、ここ数か月で6人のタクシードライバーが生活苦で自殺したことで、この問題が浮き彫りになったと伝えている。

8月8日の議決を迎えて市庁舎前では、ドライバーなど大勢の人々によるデモが行われたが、自殺したドライバーの名前を書いたプラカードを持ったドライバーも多数参加したそうだ。

ライドシェアリングがタクシードライバーに与えている影響は、思いの外深刻なようだ。