T-Mobileが「アンキャリア」でカスタマーサービスを改善


T-Mobileが「アンキャリア」の最新施策として、カスタマーサービスの改善を発表した。

T-Mobileはこれまで「アンキャリア」の中で「顧客の痛みを解消する」と称して、2年契約と端末補助金の廃止、データの超過料金の廃止、税・サーチャージの廃止など、さまざまな施策を導入してきたが、最新施策ではカスタマーサービスを改善する。

今回の改善内容は、自動音声による応答ではなく生身の人間が対応する、24時間365日いつでも受け付ける、部門間での「たらい回し」をなくし、顧客第一をモットーに、顧客の所在地の地元の専門家チーム(Team of Experts)が責任を持って対応に当たるというもの。

この発表は少なくとも2つの点で意外性があった。

1つは、今回はてっきりTVサービスが発表されると思ったのに、それは発表されなかったこと。T-Mobileは2017年12月にTVサービス会社のLayer3 TVを買収し、2018年中に独自のTVサービスを開始することとしていた。TVサービス用の人材募集も行っていたことから、いよいよサービス開始は近いと思われ、今回の「アンキャリア」で発表されるのだろうと期待されていた。

もう1つは、カスタマーサービスを改善するという、ごく当たり前のことが「アンキャリア」の中で発表されたこと。この種の施策はわざわざ「アンキャリア」という特別なイベントとしてやらなくても、常日頃から改善の努力を行うべきものではないか。

もちろんT-Mobileもそのくらいのことは知っていると思うが、それを敢えて「アンキャリア」施策にしたのは、他の「キャリア」のカスタマーサービスの対応があまりにもひどく、「顧客の痛み」が耐え難いものになっているという事情があるからだろう。

そう言うT-Mobileのカスタマーサービスも、これまではひどいものだった。オンラインでT-Mobileから購入したiPhoneが盗品扱いされてアクティベートできなかったり、その同じiPhoneがSIMロックの解除ができなかったり、解約するために電話したら、その電話の途中でいきなり「No Service」にされてしまったり。

カスタマーサービスの対応は、T-Mobileに限らず他のキャリアもひどいし、通信業界に限らず他の業界も同じようなもので、身近なところではアパートの管理オフィスの対応も相当ひどいものだ。

それを考えると、そういう現状を何とかしようという今回のT-Mobileの「アンキャリア」施策は評価に値する。

これをきっかけにしてカスタマーサービス改善の動きが通信業界はもとより他の業界にも、アパートの管理オフィスにも広がることを切に祈る。