Verizonが「世界初の5G」を開始


10月1日、Verizonが「世界初の5G」の商用サービスを開始した。これは「真の5G」ではないとの批判や疑問も出ている。

Verizonのホームページより

「真の5G」ではないという主張の根拠は、「5G NR(New Radio)」という5Gの世界標準に準拠したものではなく「5G TF(Technical Forum)」という独自の仕様を採用しているため。

独自仕様とは言え、ミリ波帯の周波数(mmWave)を使用することなど、「5G」の技術的要件をある程度は満たしているので、「5Gの一種」であることには違いない。

「5G NR」の実現にはもう少し時間がかかるため、その前に「5G TF」で他社に先駆けて「5G」の商用サービスを開始したという次第だ。

これによりVerizonは「世界初の5G」の栄冠を手にすることとなった。これは企業イメージ上も重要だ。

ただし、スマホなどのモバイル端末はまだ準備ができていないないため、当初は固定通信サービスの「5G Home」として提供する。

当初の提供地域は、ロサンゼルス、サクラメント、ダラス、インディアナポリスの4都市。その中でも5G基地局から見通しのきく場所である必要があるため、実際にサービスが利用できるのはごく限られた場所になる。

速度は最大で940Mbpsとなるが、利用場所や環境によっても異なり、通常は300Mbps程度となる。

料金はVerizonのワイヤレスサービスのスマホ用データプラン(月30ドル以上のプランで、データオンリーのプランは除く)の顧客は月50ドル、それ以外の顧客は月70ドル。税・サーチャージ等は込み。

Verizonではサービス開始を記念して、以下のプロモーションを実施する。

  • 月額料金が3か月間無料。
  • 機器の使用料、設置料、アクティベーション料が無料。
  • YouTube TVの月額料金が3か月間無料(4か月目からは月40ドルかかる)。
  • TVストリーミング装置(Google Chromecast UltraまたはApple TV 4K)を無料提供。

その上、長期契約は不要なのでいつでも解約できる。Verizonとしては大盤振る舞いと言える内容だ。

ちなみにライバルのAT&Tは「世界初のモバイル5G」の栄冠を狙っている。