Searsが自ら招いた経営破綻

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小売大手のSearsが経営破綻し、日本の民事再生法に当たる破産法11条の適用申請をした。

法人設立から126年、その前身となる腕時計通販事業の創業から数えると132年も続いていた会社で、一時は米最大手の小売チェーンになった。

カタログ通販の元祖でもあり、日用品や家電や洋服など、ありとあらゆるものを販売。自動車までカタログで販売した。郊外のモールに大店舗を作って集客し、地域興しにも貢献した。

アメリカ人のライフスタイルを変えたとまで言われている会社だから、これが破綻したというのは歴史的な大事件だ。

30年以上前に一時アメリカに住むことになったときにSearsで家具や台所用品などを買い揃えたのが、今となっては懐かしく思い出される。

CNNによると、最近ずっと経営悪化で負債が膨らむという危機的状況だったが、10月15日に返済期限だった1億3400万ドルの負債を返済することができなかったのが、最後の一撃となった。

これから年末に向けて142店舗以上を閉鎖し、比較的収益性のいい店舗は残して引き続き経営再建を図る。最近は同様に経営破綻して再建を目指していた多くの企業が再建できずに倒産している。

Amazonを始めとするオンラインショッピングの台頭で、既存の小売店は軒並み苦戦・衰退しているが、Searsの破綻の要因はそれだけではなかったようだ。危機的状況は数十年も前から続いていた。

オンライン販売やWalmart、Home Depotなどの攻勢に対し、価格や利便性で優位に立てず、売上が落ち込んだときに取った施策が、店舗を閉鎖・縮小しコストを下げること。広告宣伝費も削り、店舗の維持・改修費も節約した。

その結果、店舗は荒れて客足は遠のき、ますます売上は落ち、経営が危ぶまれると取引先は前払いを要求したりディスカウントを拒んだりするので、ますます損失と負債が膨らむという、負のスパイラルに陥った。

自ら招いた危機と破綻と言える。