VerizonがまたSIMロックをかける


VerizonがスマホにSIMロックをかけたいとFCCに許可を求めた。

VerizonがSIMロックをかけるという話は1年前にもあった。そのときは、新しいスマホについては販売直前までSIMロックをかけておき、販売後直ちにアンロックするという措置をとったので、FCCの許可は不要だった。

今度は少し話が違う。新しいスマホを販売した後、60日間SIMロックをかけるというもの。これはFCCの許可が必要だ。CNETによれば、Verizonはその許可を得るべく、2月22日にFCCに申し立てた。

その目的は1年前と同じく犯罪抑止のため、とVerizonは述べている。

米ワイヤレス大手4社のうちVerizonだけがスマホにSIMロックをかけていないが、これは2008年に実施された周波数オークションでVerizonが取得した700MHz帯Cブロックの周波数に付された条件によるもの。

そのため、Verizonのスマホは他社のものよりも盗難に遭いやすいという困ったことになっている。特にiPhoneのようなハイエンドのスマホは、最近は1,000ドルを超える機種も出ており、中古売買価格も高いことから、狙う側にとっては格好のターゲットになっている。

顧客が購入した後のスマホが狙われることもあるが、販売前のスマホが販売店に輸送される途中や保管中に狙われることもある。

これによるVerizonの損害額は2018年で1億9,000万ドル。2017年の1億1,500万ドルから大幅に増えている。被害に遭った顧客数は2017年には月4,800件だったのが2018年には月7,000件のペースになっている。

顧客がスマホを購入後に盗まれると、スマホに入っている個人情報も盗まれて「なりすまし」などの二次被害につながる可能性もあるから厄介だ。今こそ顧客を守るために立ち上がるべきときだ、とVerizonは動き出した。

Verizonは、販売後60日間SIMロックをかけたとしても、正当に使用する顧客にはほとんど影響はないとしている。購入後60日以内に他社に乗り換える顧客はほぼ皆無だからとのことだ。

正当に使用する顧客のうち、海外旅行先で現地のSIMカードに差し替えて使うためにアンロックが必要なこともあるが、これについては何も触れられていない。

多少の不便はありそうだが、それで安全性が増すならやむを得ないかもしれない。とは言え、まだFCCが認めると決まったわけではない。

少なくとも当面は、Verizonのショップから出るときは周囲に十分気をつける必要がある。