DisneyのFox買収が3月20日に完了


DisneyがFoxの買収手続きを3月20日に完了することになった。

手続きの最後の難関だったメキシコの規制機関の承認が得られたからだ。現在のFoxの株主が保有している株式は1株あたり38ドルとして、Disneyの株式か現金に交換される。現金でいくら受け取るかを選択する締切を3月14日の午後5時(米国東部時間)に設定した。

そしてFoxの買収手続きが完了する日、すなわちFoxがDisneyの傘下に入る歴史的な瞬間を、3月20日の午前12時02分と定めた。

この「午前12時02分」というのは興味深い。なぜ「午前12時」ではなく、「午前12時01分」でもないのか。現金で受け取る金額を選択する期限は「午後5時」としているのに。

「午前12時」という表現を避けるのはわかる。真夜中の12時なのか昼間の12時なのか迷うし、真夜中だとすると2つの日付の境目なのだから、「3月20日が始まる午前12時」なのか、「3月20日が終わる午前12時」なのかが曖昧だ。

契約や法律などの法的文書などでは、このような混乱を避けるために、「午後11時59分」とか「午前12時01分」とか、「12時」から1分間前後させた時刻を使うことが多い。これで日付が明確になり、誤解を生ずる余地はなくなる。

だったら、DisneyがFoxを買収する手続きが完了するのは「3月20日の午前12時01分」ということにしてもいいような気もするが、なぜ「12時02分」とするのか。さらに1分間経過させる理由は何なのか。

DisneyのFox買収案件だけでなく、米証券取引所に提出される合併関係の書類では発効時刻を「午前12時02分」としているものが多いように見受けられる。

これについて説明している情報が今のところ見当たらない。誰かわかる人がいたら教えてもらいたいものだが、自分なりに考えてみた。

自動車保険やその他の損害保険などでは有効期間は重要なので、明確にするために「12時01分」を使っている。手元にある自動車保険の有効期間は、「2018年9月1日の午前12時01分から2019年9月1日の午前12時01分まで有効」と書いてある。

会社関係の保険やその他の重要文書でもおそらく有効期間を明確にするために「午前12時01分から有効」とか「午前12時01分まで有効」となっているものが多いと推察される。

もし買収完了の日付を「3月20日の午前12時01分」とすると、午前12時01分から有効になる書類や午前12時01分に無効になる書類があった場合に、買収完了時点で有効なのか無効なのかが曖昧になる。それを明確にするために、もう1分間経過させたと考えると説明がつく。

そうすると、買収手続きの完了時点が問題になる別の重要書類があるとすると、発効時刻を「午前12時03分」とする必要も出てくるかもしれない。

同じように、その書類の有効期間が問題になる別の重要書類があるとすると、その発効時刻は「午前12時04分」・・・