Verizonが「世界初の5G」の二冠達成


Verizonが「世界初の5G」で二冠を達成した。

Verizonは4月3日、同社の5Gネットワーク「5G Ultra Wideband」上での5G対応スマホの提供を開始した。当初のサービス提供都市はシカゴとミネアポリス。

5G対応スマホによる5Gサービスとしては世界で初めてとなり、「世界初の5Gスマホ」の提供開始となった。対応スマホとしては、Motorolaの「moto z3」スマホに「5G moto mod」モジュールをはめ込んで使うというもの。

moto z3(左)と5G moto mod(右)(Verizonのホームページより)

本体価格はmoto z3が定価480ドル、24か月の分割払いで月々20ドルとなるところ、実質半額になるプロモーションを実施中。5G moto modは定価が349.99ドルのところ、期間限定で199.99ドルで提供中。

既存の無制限プランの月額料金に月10ドルを追加することで、5Gデータが無制限に利用できるようになる。下りの伝送速度は通常は450Mbps、最大で1Gbps。レイテンシーは30ms未満。

「世界初の5G」をめぐっては2018年から米韓のキャリアの間でタイトル争奪戦が繰り広げられていた。

Verizonは2018年10月1日に固定通信の5Gサービス「5G Home」の提供を開始して、固定部門で「世界初の5G」の栄冠を手にした。

AT&Tは2018年12月21日にモバイル部門で「世界初の5G」を達成したが、これは5G対応のモバイルルータを使用するもので、5G対応スマホによるものではなかった。

韓国は政府主導の下、5G対応スマホ部門での「世界初の5G」を目指した。当初、3キャリア揃って2018年12月1日のサービス開始を予定したが、スマホやサービスの準備が整わず、2019年3月に延期されたがこれも間に合わず、開始予定が4月5日にずれ込んだ。

Verizonは当初、5G対応スマホによる5Gサービスの提供を4月11日に開始することとしていたが、韓国がもたついたスキを突いてサービス開始を前倒し、かろうじて「一番乗り」を宣言した。

速度や品質テストなどで一番になることに比べ、サービス開始で一番になることの意義は大きい。後から来た者が追い越すことができない。人類が初めて月に降り立ったのと同様、歴史に残る偉業になりうる。

そういう意味で、たとえ数日とは言え、またたった2都市だけとは言え、他社に先駆けてサービスを開始したことはめでたい。

どの分野にも言えることだが、わずかな差でも一番と二番では大違いだ。宣伝効果は大違いだし、企業イメージにも大きく影響する。

「二番じゃダメなんです」という声が聞こえそうな気がする。