カリフォルニア州ミルブレー市にあるスーパー「Safeway」の駐車場と歩道の間に「ジョージ・コーレイ」さんのベンチがある。
背もたれには「ジョージ・コーレイのとても大事な会合場所」と刻印された銘板が掲げられている。
この「ジョージ・コーレイ」という人はいったい何者なのか。おそらくこの地域に相当貢献した高名な人物なのだろうと推測される。
ネットで調べてみた。検索のトップに出てきたのは、「ジョージ・コーレイ・ウォレス・ジュニア」という政治家の情報。
アラバマ州知事を務め、大統領選に出馬したこともあるというから、一応高名な政治家のようだ。
政治家ならいろいろ功績も残しているだろうから、ベンチに名前が刻まれてもおかしくはない。
おそらくこの人の功績を記念したベンチなのだろうと予想しながらさらに調べると、第二次世界大戦でB29に乗って日本本土の爆撃にも参加したなどの経歴が出てきた。
人種差別を助長する政策を推進した人物のようだ。遊説中に銃撃されて下半身不随になったり、晩年はパーキンソン病になって車椅子で闘病生活を送ったりと、マイナスイメージの情報が多い。
ミルブレーどころかカリフォルニア州にも関係がないようだから、この人ではなさそうだ。
そもそも、もしこの人なら「ジョージ・コーレイ」ではなく「ジョージ・ウォレス」と刻印されるはずだ。
とんだ道草をしてしまった。さらに検索をすると、『特捜班CI☆5』の「ジョージ・コーレイ」部長が出てきた。これは英国のテレビドラマの話だから関係がないだろう。
さらに検索を進めると、弁護士の「ジョージ・R・コーレイ」なる人物の情報が出てきた。
弁護士生活50周年を迎えるとの記事。1964年に弁護士になり、ミルブレーの法律事務所に入ったとあるから、おそらくこの人のものだろう。
サンブルーノ市の市長や市議会議員を務めるなど、地域にかなり貢献をして、表彰されたりなどもしているようだ。
ベンチのことも書いてあった。1998年に65歳の誕生日を迎えた時に、パートナー弁護士たちからプレゼントされたものだそうだ。毎朝このベンチに座ってコーヒーを飲んでいるらしい。
特に何か大きな貢献をしたことを記念したものというわけではないようだ。単に誕生日のプレゼントだったとは。そんな理由でベンチが設置できるとは。
ちょっと拍子抜けしたが、何はともあれベンチの謎が解けて良かった。