T-Mobile/Sprint合併がFCCの承認に向けて前進


T-Mobile/Sprintの合併は、両社が「約束」をFCCに提出したことで、承認に向けて大きく前進した。

T-Mobile/Sprintは合併の承認に向けて規制当局と調整中であるが、5月20日、合併が完了したらSprintのプリペイド子会社のBoost Mobileを第三者に売却することを含む「約束」をFCCに提出した。

この種の約束は今まで守られなかったものが多いが、T-Mobileのジョン・レジャーCEOは「やると言ったらやるんだ(When we say we’ll do something, we mean it!)」と言って、約束を必ず守ることを強調した。

両社が約束した内容は以下のようなもの。

  1. 世界最先端の全国5Gネットワークを構築する(合併完了から3年以内にミッドバンド周波数(2.5GHz帯/PCS/AWS)で人口の4分の3を、ローバンド周波数(600MHz帯)で97%をカバー)。
  2. ルーラル地域にも5Gブロードバンドサービスを提供する(合併完了から3年以内にローバンド周波数でルーラル地域の人口の85%をカバーし、6年以内に同90%をカバーするとともにミッドバンド周波数で同66.7%以上をカバー)。
  3. 5Gによる家庭向け固定ブロードバンドを提供する(合併完了から3年以内に家庭用サービスを960万世帯に販売し、そのうち260万世帯以上をルーラル地域とする)。
  4. Boost Mobileを分離・売却する。
  5. 料金の値上げはしない。5Gで追加料金を取ることもしない。
  6. Alticeを含むMVNO向けや卸サービスの料金も値上げしないし、現状より条件を悪化するようなこともしない。
  7. 約束の順守を検証可能で強制力あるものにし、毎年順守状況を報告する。

これを受けて、まずFCCのAjit Pai委員長とBrendan Carr委員が合併に賛成する意向を表明し、Michael O’Rielly委員もそれに続いた。これで3名(いずれも共和党)の賛成票が確保された。

FCCでは委員長を含めて5名による多数決で決めるので、3名が賛成すると決定できる。

合併承認に向けて大きく前進した。