T-Mobileが顧客奪回を加速


Sprintとの合併話で一喜一憂の中、T-Mobileがさらなる顧客奪回策に動き出した。

T-Mobileはこれまで「アンキャリア」でさまざまな施策を打ち出し、順調に他のキャリアから顧客を奪っているが、まだ飽き足りないようだ。

T-Mobileの積極果敢な攻勢にも関わらず、他のキャリアにしがみついてなかなか離れようとしない根強い顧客がいる。企業割引や軍関係者・シニア向けなどの各種割引の恩恵を受けている顧客だ。

そこでT-Mobileは、乗り換え顧客に対し、他社の割引と同額かそれ以上の割引をするという施策を含む、新たな顧客奪回策を打ち出した。実施日は6月2日。

現在受けている割引の内容がわかる最新の請求書をT-Mobileのショップに持参すると、エキスパートがチェックして、同様の割引をするというもの。割引額は5ドル単位で切り上げるので、それまでと同額かそれ以上の割引額となる。

ただし、割引額は1か月あたり1回線につき最大15ドルまで、1アカウントにつき合計で最大30ドルまでという上限がある。

これにより、今まで割引がネックで乗り換えができなかったという顧客まで根こそぎ奪回しようという狙いだ。

T-Mobileはさらに、この機に、料金プランの名称を「T-Mobile ONE」から「Magenta」に変更した。同様に、追加のオプションは「T-Mobile ONE Plus」から「Magenta Plus」に変更となる。

なぜ「Magenta」なのかについては、「みんなが好きな名前だから」というわけのわからない説明がされている。名称は変更しても中身はほとんど変わらないとしているが、実際には少し変更されていて、いいニュースと悪いニュースがある。

まずはいいニュースから。モバイルホットスポット(テザリング)が、これまでは「3G速度で無制限」だったのを、「高速で3GBまで、それを越えると3G速度で無制限」に変更した。

次は悪いニュース。Netflixのスタンダードプランが無料視聴できる「Netflix on Us」は、7月から2ドルの追加料金がかかるようになる。もし追加料金が嫌なら「Netflix on Us」をやめることもできる。つまりNetflixの無料視聴ができなくなる。

この「Netflix on Us」の変更は事実上の値上げであり、これまでの「値下げはしても値上げはしない」という約束を破る事になる。

少し「アンキャリア」らしくないところが出ているのが残念。