AT&Tの「5G E」はやはり遅かった


AT&Tの「5G E」はVerizonやT-Mobileの4G LTEよりも遅かった、とのテスト結果が出た。

AT&Tのホームページより

AT&Tが真の5Gではないのに「5G E」と表示して、それに対してSprintが訴えたが、どういう経緯か不明ながらも穏便に解決して、AT&Tが引き続き「5G E」の表示を続けている件の続編。

スマホの画面右上に「5G E」が表示されるのは、これまでは一部のAndroidスマホだけだったが、3月にはAppleがiOSを12.2にアップデートしたことで、AT&Tの所定のネットワークを使っていればiPhoneにも表示されるようになった。

幸か不幸か、AT&Tのネットワークを使っていないので、今のところそれを体験する機会に恵まれていないが、Tom’s GuideのシニアライターのCaitlin McGarry氏がその体験談を伝えてくれた。

その結論は、AT&Tの「5G E」はやはり遅かった、というもの。

同氏によれば数か月前にiPhone XSがiOS 12.2にアップデートされて、「5G E」が表示されるようになった。AT&TのiPhone XS、VerizonのiPhone XS、T-MobileのGalaxy S10 Plusで速度を比較してみた。

まずはニューヨーク・マンハッタンの高層ビル15階のオフィスで速度を計測。電波状態は非常に良く、どのスマホもアンテナマークは4本がフルに立っていた。AT&Tの「5G E」は39.5Mbps/15.5Mbps(下り/上り、以下同じ)。一方、T-MobileのLTEは53.1Mbps/20.2Mbps、VerizonのLTEは64.2Mbps/10.4Mbps。

次にマンハッタン駅の地下鉄出口でAT&TとVerizonを比べてみた。地下は電波が悪いことが多いが、両方ともアンテナマークは4本がフルに立っていた。AT&Tの「5G E」は22.2Mbps/4.6Mbps、VerizonのLTEは49.3Mbps/5.83Mbps。

帰宅してからアパートのリビングルームでも測ってみた。ここのアパートは電波状態がそれほど悪いわけではないが、アンテナマークは2本しか立っていなかった。AT&Tは13.1Mbps/0.22Mbps、Verizonは62.5Mbps/3.06Mbps。2分後に再度測ってみたら、AT&Tは9.1Mbps/0.39Mbps、Verizonは50.1Mbps/2.61Mbps。

同氏のテスト結果だけでなく、OpenSignalのデータでも、平均の下り速度はAT&Tの「5G E」が28.8Mbps、VerizonのLTEが29.9Mbps、T-Mobileが29.4Mbpsと公表されているので、AT&Tの「5G E」はやはり遅かった。

ただ、AT&Tの名誉のために付言しておくと、AT&Tが「5G E」は速い、最大2倍速い、などと宣伝しているのは、AT&Tの4G LTEと比較しての話だから、まったくの出鱈目ということでもない。