ニューヨークの市営交通にタップ決済が導入された。と言っても、まだ限定的だが。
米国の公共交通におけるモバイル決済の導入は日本や欧州などに比べるとかなり遅れている。サンフランシスコでは専用の交通系カード「Clipper Card」が幅を利かせている。
最近のVisaの調査結果によると、乗車券を購入したり交通系カードにリチャージしたりするために列に並んでいる間に乗り遅れたという経験のある人は、利用者の67%に上る。
モバイルがこれだけ普及しているというのに、交通系のモバイル決済がなかなか進まないのはどういうわけだ。
そんな不満や疑念が渦巻く中、ニューヨークの市営交通では、5月31日にタップ決済が導入された、とTechCrunchなどが報じた。
NFCチップが搭載された非接触型クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードを改札機にタップして乗車できる。クレジットカードはVisa、MasterCard、American Expressが使える。
Apple、Google、Samsung、FitBit Payのモバイル決済にも対応する。
今のところ、1回だけ利用できる乗車券のみに使用できる。1日券や定期券などには対応していないので、多くの利用者にとっては、まだ不便が続く。
ニューヨークでさえまだこんな限定的な状況なのだから、サンフランシスコで快適にモバイル決済が利用できるようになるのはいつのことになるか。
過度な期待は禁物だが、モバイル決済はゆっくりと進行中だ。