ポルシェを購読するとは


ポルシェを「購読」できるサービスがある。しかも拡大している。

靴の購読も驚きだが、車の購読はもっと驚きだ。しかもポルシェだとなると、腰が抜けそうだ。

TechCrunchによれば、Porscheはアトランタで試行的に提供していた「購読」サービスをラスベガス、フェニックス、サンディエゴ、トロントに拡張すると発表した。

提供地域を拡張したということは、試行サービスの結果が良かったのだろう。

月額定額制の「Porsche Passport」は、月極めのレンタカーのようなものだが、いつでも何回でもいろいろな車を取っ替え引っ替えして乗ることができ、乗り換える際にはコンシェルジュが任意の場所に新しい車を届けてくれるという特別待遇がある。その手続きに必要な操作はすべてスマホで簡単・便利に行えるのもメリット。

月2,100ドルの「Launch」プランでは、Macanなど8車種の中から好きなのが選べる。

月3,100ドルの「Accelarate」プランでは、利用可能な車種がさらに911など12車種が追加され、20車種の中から選べる。

料金には自動車保険やメンテナンスなども含まれている。走行距離は1か月につき2,000マイルまでが含まれ、それを越えると1マイルにつき1ドルが別途かかる。

そのほかに一時金として、加入料が595ドルかかる。

それほど頻繁に乗らないという人向けには、「Porsche Drive」というプランもある。乗った分だけを支払う、要するにレンタカーやカーシェアリングのようなもの。最低4時間から利用できる。

たとえば、Macan、718 Cayman、718 Boxsterなら4時間で269ドル、911を1週間借りると2,909ドルとなる。

「購読」とは言ってもレンタルやシェアリングに近い。Porscheがこのような新サービスを始めたのは、「もっと頻繁に乗り換えたい」、「もっといろいろな車に乗りたい」、「スマホで便利に使いたい」といったユーザの要望に応えるためとしている。

それにより新たな顧客層を取り込むのが狙いだ。現にアトランタでの1年半にわたる試行サービスでは、利用顧客の80%以上が、これまでポルシェに乗っていなかった顧客だった。

すなわち、この購読プランにより新たな顧客層を惹きつけることができたということだ。

これも靴の購読と同様、金持ちのわがままなユーザ向けのサービスに思えてならないが、真の大金持ちならこんなサービスを利用しないで、好きな車をいくつでも買うだろうから、そこまでいかない金持ち向けのサービスということになる。

このような顧客層向けのビジネスチャンスは結構大きいのかもしれない。